部活
□陸上部×スピードスター
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「謙也ぁ…!!笑ってないで助けてよ!!」
湊が座り込んだまま俺を呼んだ。
『おぉ!!悪かったな!!
ぬおわ!!血ぃでとるやん!!保健室行こか。』
よいしょ、と湊を抱き上げる。
「ちょっと!!やだやだ!!下ろしてよぉ!!」
『湊が助けてって言うたんやん。』
むぅ…と湊が膨れる。
ほんまかわええやつやなあ。
そのままお姫様だっこで保健室まで運んだ。
「痛い…。謙也消毒ヘタ。」
『慣れてへんのに必死にやっとるんやで!?文句言うなや!!』
「謙也。」
『何や?』
「勝ってくれてありがとうな。」
そっぽ向いたまま湊が言う。
『それだけなん?』
そっぽ向かれると何かいじめたなるやん?
「え、えと…」
『ちゃんと、こっち向いてや。』
自分で言っといて、
まっすぐな目で見つめられると心臓がうるさい。
「謙也、が…
好きやねん。
大好きやから、な。」
にこっと笑いかける湊はやっぱりかわええ。
「ちゃんと約束守ったで!!」
約束ー…。
走る前に駆け寄ってきた湊が囁いた約束。
¨ゴールしたら告白する¨
『俺、あれ部長にかとおもったんやで?』
「え!?」
『まあ結果が1番、っちゅー話や。
俺んこと大好きみたいやしな。』
¨大好き¨を強調して言うと湊は顔を真っ赤にする。
「謙也は、私のことちゃんと好きなん…?」
不安げに顔を覗き込む。
『行動見てればわかるやろ。鈍感で気づいてくれへんからこっちは大変だったで…。』
至近距離に緊張して好きだと言えない俺は、財前の言うとおりへたれなんやろか。
…大好きに決まっとるやん。
『付き合おか。』
反省とおまけ⇒