部活
□演劇部×絶頂
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「そう!!そこで泣いて!!」
「シンデレラと王子様キスや!!」
部長の熱い指導のもと、練習は遅くまでやった。
キスはもちろんフリだけね。
「思ったよりハードやな。」
『そうだね。でも楽しい!!』
「せやな!!湊とだからかもしれへん。」
『からかうの禁止!!』
顔を見合わせて笑う。
凄く、楽しい。
白石が王子様役をやることはあっという間に学年中に広まった。
素直に喜ぶ人半数。
姫役(要するに私)に嫉妬が半数。
嫉妬した白石ファンは怖い。
『あれ?上履きがない。』
『教科書がない。』
『体育着がない。』
『靴もない。』
いや、隠しすぎだろ!!!!
まあ直接私に何かして白石にバレるのが怖いんだろうなー。
白石はかっこいいから、私に嫌がらせしたくなる理由はよくわかる。
隠された物も探せば出てきたし、怒らないで置こう。
そう思ってた、のに。
私がダメージをあまり受けていないと思ったらしく。
ファンたちはものすごいことを思いついた。
゛シンデレラが代役必要になればいい!!゛
まあ要するにシンデレラの座を奪うべく、私を潰しにかかったのだ。
冗談じゃないわ!!!!
だったら白石なんかに頼むんじゃなかった。
そう思いながら
呼び出しはできるだけ避け、友達と行動するようにしていた。
なのに何故。
私は今階段から突き落とされたの?
視界にうつったのは冷たい床と、一緒に行動してた友達。
なるほど、その展開は考えなかった。
悔しいやら悲しいやらで頭ごちゃごちゃなって、考えんのが嫌になって、
意識が飛んだ。