部活
□卓球部で白石
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とりあえずあれから白石はことあるごとに私のところに来ては抱き締めてキスして去っていく。
本当にやめてくれ。
そりゃあ白石はイケメンだしモテるから好かれてる優越感とかはあるよ?
みんなが憧れる腕(何故か片方は包帯)に抱き締められてるわけだしさ。
でも恥ずかしいもんは恥ずかしいし、私にも世間体はある。
抱き締められてるときに白石に腕を回し返しでもしたら、晴れて変態の仲間入り感が否めない。
「湊ちゃーん!!」
やっべ、来たよ
とりあえずこっちに集中。
今日は同級生と練習試合。
気合いを入れ直して、サーブを打つ。
相手との間を行き来する高速の球。
ああ、楽しい、楽しい!!!
チラッと視界に映る白石。
あまりに優しく笑ってるから、どこかがドキリと鳴ったけど知らないふりをした。
そういえば彼はテニス部だったな。
白石も、試合のときこんな気持ちなのかな。
同じようなこと、考えてんのかな。
あ、チャンス。
ラケットをギュッと握り直す。
プラスチックの球の乾いた景気のいい音が体育館に響いた。
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