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□甘えたさん財前
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「俺を思いっきり甘やかしてください。」


『…はい?』

「せやから俺を甘やかしてください。」

『いやいやいや授業はじまるよ。』

さっき予鈴がなったばかりだ。
「サボりましょ、一緒に。」
そう言って私の手をひいて屋上へ向かう。



着いてから、ドアノブをガチャガチャと回しても扉は開かなかった。

「何や開いてへんやんか。」

『当たり前だよ。携帯小説じゃあるまいし。』

「しゃーないからここでいいっすわ。」
小さく呟くと屋上に入るドアの前にあぐらを掻いて座った。


『わっ!!』
いきなり腕を引かれて光の胸に倒れ込む。


「じゃあ先輩、甘えさせて。」

耳元で囁くのは狡いと思う。


『恥ずかしいよ。』


「俺しか居らんやないですか。」

『なんでいきなり、』

「ええから。」

焦ったような声で言われると、抵抗なんかできなくなった。



『ひかる、』

「ん…。」


頭をなでると気持ちよさそうに目を細めた。

可愛い…

『よしよし。』


「先輩、足りひん。」

『何が足りないの?』

「ええから、」

光の照れたような目にドキドキして、それを隠すように光を抱きしめた。


『光可愛い。』


「うっさい、すわ…。」

『好き、だよ。』


「先輩、」

『ん?』

「もっと、言ってください。」

いったいあのツンツン財前くんに何があったというんだ。
だけど


『大好き。』


細かい事なんかどうでもよくなってしまった。


「先輩、俺も。」

光が私の背中に手を回して、抱き締め返してきた。


『ひかるー。』


「先輩、好き。」


『光、今日どうしたの?』

「先輩を好きなやつがいて、心配になって…。」


可愛い理由だな、本当に。
乙女かコイツは。


「先輩は、俺だけ?」

心配そうにこっちを見る。

『光だけだよ。』


「ずっと一緒におって下さい。」


『うん、よしよし。』

『でも私の方が心配だよ?』


「え?」

『だって光モテるもん。』

「俺は、先輩以外無理っすわ。」


『本当に?』

「当たり前っすわ。」



『光愛してるよ。』

「俺が18んなったら、即結婚、ですよ。」


『ん、だいすき。』




ただのバカップルです

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