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□謙也が添い寝
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『謙也きてきて!!大変、大変なの!!』


名前が焦ったように電話してきたから、俺は急いで名前の家に行った。


時計を見ると、夜の11時。
街灯以外に光がない真っ暗な街。

かなり早く名前の家に着いたと思う。

スピードスターを舐めたらあかんっちゅー話や!!


「名前!!!」


『謙也あああああああ!!!!!』
ドアを開けた瞬間名前が抱きついてきた。

俺やなかったらどないすんねん…。
後で言わなアカンな。


「ほんまに、どしたん?」


『怖いいいいいい!!!』


「…何が?」



リビングに着くと、名前が落ち着いて状況を説明した。


どうやら、家族が結婚式で留守だから財前に貸してもらったDVDを見ていたらそれがホラーで眠れなくなってしまったらしい。


財前にからかわれたんやろな…。

「よしよし、怖いことないで?」

そう言って頭を撫でると俺のシャツを握って胸に顔を埋めて泣き出した。

可愛え…。
これはいじめたなるわ。

だからって他の男がいじめていいわけとちゃうで?


『ひかるの、ばかやろおおおお!!!!!』


「泣き止んだ?」


『…うん。』


「じゃあちゃんと戸締まりするんやで?さっきみたいに誰が入ってきたか分からんのに抱きついたりしたらあかんで?」




『え?』




「どしたん?」



『………帰っちゃうの?』



「あ、俺泊まってった方がええの?」


『そうは、言ってないけど…。』

ちょっと突き放すように言えばすぐいじける。

だからからかいたくなんねん。

「じゃあ帰ろかな。」


『だめ!!帰っちゃやだ!!』


「はいはい。」

携帯持ってきて良かった。


家には友達の家に泊まると連絡した。


『謙也、お風呂とご飯は?』


「家で済んでるから平気やで。」


『じゃあお風呂入ってくるから待っててね!』


「リビングにおったらええ?」


『うん!勝手にいなくなっちゃだめだよ!』


ほんまに可愛え。

てか彼氏とはいえ、家に男入れて呑気に風呂とか警戒心薄すぎん?


まあ俺だからええけど。


千歳とかやったら風呂で襲ったりしそうやなw


ドキドキしつつもリビングから一歩も動けない俺はやっぱりヘタレなんやろか。







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