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□謙也が添い寝
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『ねね、謙也?』


「なんや?」


『謙也、リビングで寝るの?』


「だって布団用意してくれたやろ。」


いざ寝ようとした時に突然言われた。

俺やって彼女の家で大人しく別々の部屋でおやすみっちゅーのは寂しいんやけど
突然来た訳やし、一緒におってもヘタレな俺は理性さんが必死になって勝ってしまうし。

そもそも、リビングのソファーの背もたれを倒して布団まで敷いてから聞く質問やないやろ。


『そ、だよね!!ごめんね、おやすみ!!』

そう言ってバタンとリビングから出て行った。


あんなに怖がってるのに大丈夫やろか。


大丈夫なわけないやろなあ。



そう思いつつ、毛布に潜り込む。


ガチャ

『謙也ー…。』


やっぱり、やな。

リビングのドアから名前がゆっくり入ってきた。


「どうしたん?」


『……。』


「言わんとわからんで?」




『…1人で寝るの、こわい。』

やっぱり。

「じゃあ俺どうすればええ?」

下向いてる名前の顔を覗き込んだら顔を真っ赤にして叩かれた。


『謙也いじわる!』


「なっ!?いじめてへんやんか!謙也さんはちゃんとどうしたらええか聞いたやん!」


『自分で謙也さんとか言うな!』

「ナイスツッコミw」



笑顔を向けたのに泣きそうな顔をされた。

『謙也ぁ…。』


「じゃ、じゃあ添い寝、したろか?」


勇気だして言ったで!
白石とかだったらもっと、かっこよく言えるんやろか。


『…ん。』

名前はコクっと頷いて俺の布団に入ってきた。



何やこれ…


思ったより緊張するやんか!


心臓がバクバクいってる。


「、名前?」


名前を見ると俺にぴったりくっついたまま、もう寝息をたてはじめていた。

寝るの早いっちゅーねん!


ああああもう!

どうしたらええねん!!!


こないな状況で寝れるわけないわ!


「はぁ…。」

溜め息ついてから、名前の髪を撫でた。


『けん、やぁ…。』


あれ?起きとんのか?


そう思ったけど、ただの寝言だった。



俺の夢、見てるんや。


そう思うと幸せな気分になった。

ほんまに可愛え。


名前の手をそっと握ると弱い力で握り替えしてきて、これが幸せなんやろなあ、とぼんやり考えた。



end
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