短編集

□財前くんが嫉妬
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「え?謙也さん彼女出来たんスか。」


「せやで!」


驚いた。

あのヘタレに彼女なんかできるんや。

「誰ですか?」


「財前も知ってる人や!」


「誰やし。」


「みなとや!」



「は?」


意味が分からん。

みなとといえば俺の幼なじみで、一つ上。



ほんま可愛くてしゃーない、と謙也さんが笑った。




なんやそれ…。


俺はあんたより先にみなとと出会っててみなとのこと、あんたより知ってるんやで?


なんやねん。




…なんやねん!!!



「謙也ー!」


突然可愛い声が部室に響いてみなとが現れた。


「おぉみなと!待たせてすまんな!」


「大丈夫だよ!」



部長たちがヒューヒューとはやしたてる。


「あ!ひかる!」


「…なんや。」


「今日ひかるんちお母さん居ないからご飯うちで食べてって。」


「おん。」



謙也さんと手をつないで部室を出て行くみなとを見つめた。





なんで謙也さんやねん


ずっと、俺やって優しくしてきたやんか


俺の嫁さんになるって、言ったやんか

俺はどうすればええねん




ボロっと涙がでた


「財前!?どないした!?」


部長が慌てた様子で言った。


「うっさい、すわ!」



「財前…?」


「部長、俺とられてしもた…」


「まさか、財前…」



「謙也さんに、みなととられてしもた…。」



そのあとは涙が止まらんくて




幸せになって、なんて言えんかった。




俺はその日、みなとの家に行かんかった。






end




本当にすみません;

微妙な話です
 

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