短編集

□デレひかで甘
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部活が終わって光を待ってると、


「みなとさん、」


ふいに名前を呼ばれて振り向いた瞬間。

「好き。」

おでこをくっつけながら言われた。

『今日は甘えんぼなの?』


「ちゃう。」


『可愛いなあ。』


頭をくしゃっと撫でるともっとして、とすり寄ってくる。


『猫みたい。』


「猫、すか。」


そう呟いた光は私を見下ろして笑った。


『ひかる?』



「猫やから甘えたいんすわ。」


そう言ってギュウギュウされた。

『…く、るしいから!』


「にゃあ。」


無愛想ないつもの顔で耳元で呟かれた。

『ん!』


耳が真っ赤になって震えた。


「耳、弱いんや?」


『ちょ、ひか!や、やめ!うぁ、』

耳を舐められて不規則にかぷっと噛まれる。


『こ、ら!お、怒るよ!!』

声を荒げたらやっと離れてくれた。


「みなとさん嬉しそうやった。足りないんやろ?」



勝ち誇ったように微笑む光の肩をぱしんと叩いた。


『なんで、もう!いじわる禁止!』

光を睨むと予想と反して抱きしめられる。


「あー先輩可愛え。ほんまに可愛え。帰したない。好き。今すぐにでも食べちゃいたい。大好きや。」


一息に言われて動けない私の唇にちゅ、とキスをした。





「でも今日はこれで我慢したりますよ。」



悪戯に微笑む彼から目が離せなかった。





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