短編集

□白石にべったりな妹 for景さん
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『にいちゃんおかえり!!』


「お、みなと。ただいま。」


にいちゃんが部活から帰ってきた。


うちのにいちゃんは世界一かっこいい。
優しいしテニスも勉強もできる。


「あー、疲れたわー。ご飯できとるん?」


『ハンバーグだよ!』


いつも完璧なにいちゃんが家で見せる素顔。

たまらなく大好き!


『一緒に食べよ!』


「まだ食べてなかったん?」


『にいちゃんと食べたかったの!』

ぷくーっとほっぺを膨らますと笑いながら頭を撫でてくれる。

「ほな、一緒に食べような。」

にいちゃんの隣に座って、部活のお友達の話を聞きながらご飯を食べた。


お風呂上がりに一緒にエクスタちゃんと遊んでたらにいちゃんの携帯が鳴った。

「もしもし、謙也?」


電話の相手は謙也くんで何かいいことがあったらしく明るく 白石!!って言ってるのが聞こえた


…電話終わるまでエクスタちゃんと遊ぼ。


「そらおもろいなあ!」

〔せやろ!電話してよかったわあー〕

「あ、謙也。そういえばな、」


にいちゃんと謙也くんは仲がすごくいいから電話したら基本的に長い。

せっかくにいちゃんと遊んでたのに。


暇になってにいちゃんと背中合わせで座ってもたれかかった。


「みなと、眠いん?」

〔お、みなとちゃん居るん?〕

「ん、何か眠なってしもたみたいや。」


『眠くないー…』


本当に眠くないの!

にいちゃんと早く遊びたいのー!

光くんだったらすぐ気づいて電話切ってくれるのに謙也くんは鈍い。


「みなと、もう寝よな?」

『やだー!』


本当は困らせたい訳じゃないのに。
拗ねたようにすればにいちゃんが無視できないのを知っている。


「ほんまにどないしたん?」


『なんでもないー…』


「謙也、すまんな。また明日学校で続き話そか。」


にいちゃんがそう言って電話を切ってくれた。


『にいちゃん、ごめん。』


さすがにちょっと罪悪感。


「気にせんでええよ。」


優しく笑ってくれた。

やっぱりにいちゃんが大好き。

『ありがとね、にいちゃん。』

「ええよ。せやけど…」


顔を上げるとほっぺを引っ張られた。


「演技もほどほどにな?」



そう言って笑うにいちゃんはやっぱり世界で一番かっこよかった。

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