短編集
□【拡散希望】絶頂部長がウザすぎる件
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『謙也!!』
「うお、どないした?」
コートにつくなり謙也に飛びつくと謙也はびっくりしながらもちゃんと受け止めてくれた。
『あいつが!あいつが来るよう!!!』
「あ、みなと。」
『謙也?』
「もう手遅れや。」
謙也にしがみついたまま、恐る恐る後ろを振り返った。
「みなとちゃん、謙也と楽しそうやなあ?楽しそうやなあ?」
大切なことなので…ってやつ?
『し、らいし…。』
「こーら。白石やのうて蔵ノ介やろ!俺らラブラブなんやから名前で呼び合わなあかんやろ」
ニコニコ笑顔でニコニコ喋りながら私を謙也から離した。
「謙也。」
「俺は無罪やああああ!」
自慢のスピードで部室へと駆けていく私の唯一の救い。
『く、くらのすけ…。』
「名前で呼べたな。うん、ええ子。」
『う、うん…。』
「可愛え可愛え。」
ドン引きしてるのにグイグイくる私の彼氏。
…私の彼氏?
『なんでこんなのが…。』
ボソッと呟いたはずなのに思い切り聞こえてたらしく、
「なんやみなとちゃんは忘れたんか。バレンタインの日俺が謙也とバレキス歌ってたらみなとちゃんが来て『白石が好きっ』って真っ赤な顔して告白してきたやんか。可愛いすぎて倒れるかと思ったわ。倒れるというより、押し倒してまうかと思ったわ。せやけどここはカッコ良く返さな、と思うてすぐ抱き寄せてキスしたったらみなとちゃん俯いて照れ笑いしてほんま可愛いかったわあ…そんでな、その後な…」
延々て恥ずかしい昔の告白を掘り返される。
『もういい、もういいから!!!』
いい加減蔵ノ介の話がエスカレートしてきて慌てて制止。
「なんでや?これからみなとちゃんとのハジメテのあつぅーい夜を…」
『………。』
あ、私キレそう。
「…みなと?」
『…もう怒った。』
そう言って後ろを向いた。
「よいしょ。」
ふわっと浮いた身体。
『ええええええええええええええ!?!?!?!?!?』
なんで、今喧嘩なカンジだったじゃない。
雰囲気なんて軽く無視してひょいと私をお姫様抱っこした。
『下ろして!!!』
「ほんまにみなとちゃんは軽いなあ。しかも
この柔らかさ。たまらんわー。絶頂ーっ!!!」
『…っ。』
わなわなと震える唇。
バッチーン!!!!
コートに響き渡った威勢のいい音。
と同時に蔵ノ介が顔をしかめ赤くなる頬。
た、叩いちゃった。
『く、くら…』
さすがに、ヤバいかも。
「…、みなと。」
『は、はい。』
「エクスタシイイイ!!」
『へ、』
「たまには反抗してくるみなとも可愛えわ!!!みなとはかまってちゃんやからな。」
『…。』
「けーんやあっ!!ちょお来てみ!みなとが可愛えよ!!!!」
「俺は無罪やああああ!!!!」
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→あとがきとか需要ないもの