短編集

□白石部長の暴走
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「みなと、」


『あ、蔵ノ介くん!!』


「一緒に帰ろか。」


『うん!!』


あーほんまに可愛え。

なんやねんこの天使。


最初みんなにみなとと付き合ったことを報告したら驚かれた。
確かにみなとはルックスがええとは言えん。(みなとには内緒やで!)

女子たちが釣り合わないだなんだとみなとをいじめた時は全員シバいたろと思ったわ。


俺はみなとの魅力に気付いてるやつが少なくてほっとしてんねん。
余計なことすな。


まあでも結果、みなとが俺の横で笑ってんのを見ると幸せやと思う。

にやけ顔おさえられんわ。


みなとも俺のことだけ考えてんねやろなあ…。


『あ!!ひかるー!』


は?


「あ、みなと先輩やないっすか。」


みなとを見た瞬間、駆け寄ってきた財前。

にこりとみなとに笑いかけて前に立つ。

なにデレデレしてんねん

お前普段そんなんちゃうやろ。


「先輩帰りっすか?」


『そうだよ。あ、光も一緒に帰る?』


「ええんですか!?」


ちょ、何考えとんねん!!


財前一緒におったらいつもみたいに手ぇ繋いで帰れんやんか!

目が合う度にちゅーしよ思ってた俺の計画はどうなんねん!


「財前、悪いけどな…」


『光も一緒だあ!!やったあ!』


「!?」


財前には悪いけど断ろ思たらみなとがはしゃいで言いそびれてしもた。


「みなと先輩が喜んでくれはるなら毎日でも一緒に帰りたいっすわ。」

ニヤリと笑ってみなとの腰に手を回す財前。


こいつ、俺に見せつけてるやろ。



そういえば財前もみなとの魅力に気付いてる数少ない1人やった。



せやけど残念やったなあ?

みなとにはこの間、他の男に触れられて避けへんかったらキス50回の刑を…


『光が甘えん坊だー!』


は?


「甘えん坊ちゃいますよ。」


なんやねん、これ。


みなとは俺だけ好きやろ。


なんで財前なんかに愛想振りまいとんねん…!!!


『ね、蔵ノ介くん!!今日はひかるも一緒だよ!』



天使の笑顔で笑うみなと。





あ。


わかった、わかったで!!!



みなとは俺にキスされたいんやな!


せやな、最近部活忙しくてイチャイチャが足りひんかったもんな。



さっすがみなとの彼氏。



みなとのお願いに気付いちゃう俺、絶頂―。


「みなと。」


『蔵ノ介くん。』


「大好きや。」


『え、ちょ!!!…んぅっ』


可愛え、可愛え!!!


やっぱりキスして欲しかったんやな!!


「みなと、」


『く、くらの、ンッ、ちょ!』

「可愛えな。」


ほんまに可愛すぎてどないしよ。



「みなと…。」


『ん、…はなせえ!!!』


え?


『蔵ノ介くんなにしてくれてんの!!頭おかしくなったの!?ひ、ひかるの、前で…!!』


「先輩、ほんまキモイっすわ。」


なんで俺の可愛えみなとちゃんは怒ってんねん。


『もう、知らない!!』



とりあえず、キスでとろんってした目のまま睨みつけてくるみなとが可愛えからもっかいキスしよ。





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