短編集2
□謙也で切なめ
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「謙也が、好きなの…!!」
目の前でなきじゃくる少女。
告白、断るんは苦しい。
せやけど、今まで丁寧に断って上手くやってきた。
少なくとも俺はそう思っとった。
「謙也じゃないと、駄目だったよ…。」
ポロポロと流れる涙を今すぐにでも拭って抱きしめてやりたい。
やって、目の前にいるのは1ヶ月前までいつも一緒だった彼女やから。
大好きや。
愛してた。
「謙也ぁ…。」
きっと抱きしめる勇気がでないのは別れた理由が彼女の浮気だから。
あないに泣くなんて思ってへんかった。
あんな、ほんまのほんまに
大好きやってんで?
またいなくなるのが怖くて、大好きなはずの彼女を抱き締める勇気もなくて。
また、やり直せるやろか
泣いてる彼女を抱き締めたら、
おれ、また愛せるんやろか
「謙也、今度はもう、離さないから、…謙也を傷つけないから、」
彼女の言葉に、安心した気になって
そっと手を伸ばした。
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