短編集2

□旦那がえくすた
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未来設定

20歳ちょいくらい?
















『うぅ…。』


「あ、なまえ起きたんか。」


ソファーで寝ていたなまえが身体を起こした。



「なんか飲むか?」


『いらない…。』


「無理したらあかんで。」


苦しそうな顔をするなまえにそっと毛布をかけ直した。


『くらぁ…。気持ち悪いよぉ…。』


ここ最近、つわりが酷いらしい。

「なまえ、」



『うー…。』


苦しそうに目をつむるなまえのお腹をそっとなでた。





ここに、おるんや。






なまえと俺の血、はんぶんこした可愛え赤ちゃん。







「母ちゃん頑張ってんで。」






きっとなまえの中でゆっくり寝てる新しい命に声をかける。



『くら、』




「だから、母ちゃんにあんま無理させたらあかんよ?」





苦しそうにしていたなまえが少し笑った。



『聞こえないよ、そんなの。』



「聞こえとるわ!俺がパパやで〜。」




『パパは変態だから気をつけてねー、赤ちゃん。』





「なに言うとんねん。俺がなまえに触るんはなまえが好きゆえのスキンシップで…」




『パパ、変なの。』


クスクスと笑うなまえを見て頬が染まるんを感じた。




恥ずかし。





『生まれてきたら、いっぱい遊ぼうね。いっぱいいっぱい、愛してあげるからね。』




「おん、」




なんで蔵が返事するのよ、と笑うなまえに口付けた。



俺も、いっぱい愛したるからな。


生まれてきたら、いっぱい教えたる。


母ちゃんはこないに頑張ってたんやでって。




母ちゃんも父ちゃんも、お前が生まれる前からこんなに愛してたんやでって。





















「1人だけ苦しい思いさせてごめんな、ごめんな。」





また寝てしまったなまえの髪をそっとなでた。
 

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