短編集2

□あまいヘタレスター
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「忍足くん?」


目の前には大きな目で俺を覗き込みながら首を傾げるみょうじ。


「どしたの?」

ふわっと笑うみょうじ。



無理無理無理!!!
無理やんか!!

絶対、無理や!




放課後の教室はやけに静かで。

ばくばくいっとる俺の心臓とか、聞こえてへんかな。











もとはといえば、白石のせいや。



俺がみょうじのこと好きだって言ったら
「じゃあ告ったらええやん。絶頂ー」
とかわけのわからんこと言い出して。
勝手にみょうじと約束を取り付けた。





で、今に至る。









「おしたりくーん」



机に座りながら楽しそうに俺の名前を呼ぶみょうじ。


俺みたく緊張とかしてへんのやろか


俺、脈なしやん



勝手に考えて、勝手に落ち込んだ。



「なあ、みょうじ。」




『なに、』




みょうじが微笑みながらこっちを見た瞬間、もう限界やと思った。





「なななななんでもあらへん!!!!!!!!!」




自慢のスピードでドアまで走る。








「謙也くん!!!!」










「へ!?」



「謙也くんて、呼んでもいいかな?」




「お、おん!!!」






後はもう全力疾走で部室まで走ったからなんも覚えてへん。





とりあえず幸せすぎて口元ゆるみまくっとった。
















「謙也くん、やって…!」












財前にはキモいって言われたけどお子様には分からないっちゅー話や!!





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