短編集2
□俺の嫁っすわ
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『光、誕生日だから私のお嫁さんにしてあげる!!』
「はあ、」
いつもみたいなどうでもいい顔で見つめ返す。
『俺の嫁!!!』
俺の腕にしがみついてニコニコと笑う一つ上の彼女。
「…そんな言葉、どこで覚えてきたんすか。」
『うちのクラスの女子が騒いでたの!好きな人は嫁なんだって!』
「それは二次元の…」
『光が好きだから光は嫁!』
…なんやねん。
ほんまにきしょいわ、この人。
『光!?』
力ずくで抱き締めたった。
ぎゅうぎゅう力を入れて離してなんかやらへん。
『ひ、ひか!!』
涙目になって俺の肩をトントンする。
「こんなにちっちゃくて力弱くて泣き虫で旦那ですか。こんなじゃ嫁に襲われますよ。」
『ひかる?』
「あんたの嫁さん、寂しがりややねん。抱き締めたらんと別のとこ行ってまうで。」
『やだやだ!』
必死にぎゅーってしてくるんが可愛くて。
めっちゃ幸せな誕生日やと思った
なんていってやらん。