連載系

□いち!
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明日から夏休み

るんるん気分で部室のドアを開けた



がちゃ


「みなとーー!!!」


『うわわ!』


ドアを開けた瞬間に小さな塊が胸に飛び込んできた。

条件反射でぎゅ、と抱きしめる


『な、な、な、なん!?!?!?』

びっくりして言葉がでなくなってる私の腕の中にごそごそと動くなにか。



「みなとっみなとっ!!」


名前を呼ばれ、見下ろすとどうやら金髪の3歳くらいの小さな男の子。


「ぎゅーっもっと!!」


にぱっと笑う笑顔が私の彼氏に似ていて思わずぎゅーってした。


『ん、謙也さん』


「おん!おれ、けんにゃしゃん!!」


ふと零れた彼の名前に反応したちびっ子boy。


『…謙也さん?』



「けにゃ、ちゅうがくさんねんせいや!みなとより年上やで!」


『ほんとに、謙也さん…?』



「おん!3月17日生まれ!正真正銘のみなとのだーりん、けにゃしゃんや!」


自慢げに笑った謙也さんもどきボーイ。


可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い!!!!!





さらにぎゅ、ってした瞬間。



がちゃ


ドアをあけて入ってきた白石。




「………………っああああ!ちゃうんや!みなと、これには事情があって…。」


『事情?』


「いや、あの…その……………



俺が謙也ちいさくしてもーた………」






ダメだ、頭がついてかない。


『えと、じゃあその小さいのはやっぱ謙也さんなんですか?』


「………すまん。」




あまりに突然すぎて1欠片も信じれてない自分がいる。


「今謙也のおかんに電話してきててん。みなと、謙也連れて帰ってや。」



『え、でも、白石さんが行った方が…』


「謙也と幼なじみやんか!頼む頼みます!謙也のおかん、ものごっつ怖いの知っとるやろ!?」


『は、はぁ…』


「みなと、おてて繋いで帰るで!!」


きゅんっ!!!



『はいっ!!』




差し出された手を握り返す。





朝まで私より大きかったのに。

いつもは私が守ってもらってるけど、今は私が謙也さんをまもらなきゃいけない。






















…………それはそうとして、謙也さんママになんて説明しよ…。







 

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