□初めて会った
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貴女と初めて会ったときは、入学式後のクラス割が発表されたときだ
クラス割が見れなくてぴょんぴょん飛んでいたのを横で見ていた


『み、見えない。あぁもうこういうとき身長低いと不利だな』


前の人たちの頭で見えないからと懲りずにまたぴょんぴょんと飛び出した
見ていられなくて思わず声をかけた


「あの、よかったら見ますよ?」

『あ、ありがとう!特進科なのはわかってるんだけどクラスどこなのかわからなくて・・』

「そうなんですか、お名前は?」

『霧崎朱祢』

「霧崎さんですね、……ありました。僕と同じクラスですよ」

『助かりました!えっと、奥村くん・・だよね。さっき新入生代表で話してた』

「覚えていただけて嬉しいです」


えへへと笑う彼女
とてもかわいらしい笑顔
身長の関係上どうしても上目遣いになってしまい、さらに可愛く感じてしまう


『奥村くんすごい頭いいんだよね』

「そんなこと・・」

『私入試ぎりぎりだったもん、勉強とか着いていけないじゃって不安なんだ』

「もしわからないところあったら教えますよ、僕の分かる範囲でしたら」

『ほ、ほんと!?』


目を見開きキラキラ輝かせている
そして小指だけ立てて僕の前に突き出してきた
これは、指切り??


『約束』

「嘘ついたら針千本」

『奥村くんが飲むんだからね』

「飲まないよ」


指切った
二人で照れ臭くなり笑い合い
そのまま一緒に教室に向かった
入ってからまたあとでねと一言言い霧崎さんは自分の席に荷物を置き、友達であろう女子のところに話にいった

僕はさっき指切りした手を見た
少し手が熱い
初めて女の子とあんなことをやったからだろうか?
それとも・・

いろいろと考えていたら先生が入ってきた
またあとで考えようと思い、今は先生の話に耳を傾けた

すると今日は自己紹介とかをすると言う、まぁ入学式後のお決まりかと端から順番に自己紹介をしていくことになった


「次、霧崎」

『はい。私の名前は霧崎朱祢です、得意なのは歌を歌うこととピアノとか楽器引くこと。中学のときにはコンクールに出たりしてました。悩みは身長が小さいこと、今158cmなんだけど160はほしいので高校三年間のうちに伸ばします!たくさんの人とお話したいし友達になりたいのでよろしくお願いします!』


皆からよろしくねと言われてまた笑顔で答えた
そのとき目が合った
霧崎さんは小さく手を振ってきた、僕も微笑み小さく手を振った


*****

放課後
案の定彼女の回りには男女問わず数人の子がアドレス交換のために群がっていた
赤外線で送り合いよろしくねと言う、男子の中には顔を少し赤くしている者もいた
女子にはこれから喫茶店に行かないかと誘われている
愛想がよく、かわいらしい彼女はクラスの人気者になっていた

僕も話に行きたいが・・

「奥村くんよかったらアドレス交換しない?」
「このあと暇-?」
「私もアドレス交換した-い」

何故か僕の回りには女子の群れが、男子からは大変だなと言われた
哀れむなら助けろ
内心思いつつ祓魔塾に行く時間が迫って来ているから用事があるといい足早に教室を出た
鍵をポケットから出そうとしたとき声をかけられた
それは僕が話したかった人の声だった


『奥村くん!』

「霧崎さん」

『よかった間に合って』

「どうしたの」

『アドレス、交換しない?明日にしようかなって思ったけど奥村くん人気者だから今しかないかもって思って、急いでるなら時間あるときにでも』

「大丈夫だよ、なら送るね」


携帯を開き、お互いのアドレスを交換する
ありがとうと霧崎さんは言うと教室に戻って行った
アドレス帳にある名前を見て、ちょっと嬉しい自分がいる



これが彼女に出会った最初の日の出来事だ
 

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