☆
□かわいらしい
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祓魔塾の講師を終えて携帯を見れば新着メール一件の文字が
開けるとやはり彼女からだった
今日はありがとう
奥村くんと同じクラスで嬉しい
これからもよろしくお願いしますと書いてあった
返信メールを素早く打ち、寮である旧男子寮へ向かった
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『あ、返信だ』
奥村にメールを送ってからしばらく経ち返信メールがきた
こちらこそ同じクラスで嬉しい、よろしくお願いしますと表示されていた
"嬉しい"
奥村くんからのメールを見て小さく笑っていたら同室の子にからかわれた
別に彼氏でもなんでもない、ただの友達からのメールだけど
すごく嬉しかった、ほかの子からもメールは着たけど彼は特別ってくらい嬉しかったんだ
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旧男子寮
「雪男、お前いいことあったのか?」
「いきなりどうしたの兄さん」
「すんげー携帯見ながらニヤついてたからさ、さてはエロいのでも「兄さんと一緒にしないで」なら何なんだよ」
兄に問い詰められて、答えた
「同じクラスの子からメールが着たんだ、ただそれだけだよ」
「女か?」
「うん」
「リア充め、爆発しろッ!」
「なんで、それに友達だよ?よろしくってメールなんだから別に特別な意味なんて・・」
「はいはい、いいよなーお前は。俺はもう寝る」
「兄さん、宿題やったの」
「・・・、ヤリマス」
そう、特別な意味なんてない。
でもそう思いたくない自分が心の中にいる
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翌日、お決まりのクラスの役員を決めることになった
学級委員なんてあまりやりたくない仕事だけど、推薦されてしまい断れない僕は引き受けてしまった
はぁ…と誰にも見つからないように息を吐く
次は女子を決めるぞと先生が言い、誰も自分からやりますなんて言わないから無理矢理推薦になるんだろうなと思っていたら
『はい!私やります』
クラス全員がある人物に注目した
ほかに立候補もいないものだからすんなり女子の学級委員は霧崎朱祢に決まった
霧崎さんとなんだと内心また喜んでいる自分がいる
ほっとしていたら先生がとんでもないことを言い出した
「ならこっからは学級委員が進めてくれ」
『えっ』
「……、わかりました」
霧崎さんは戸惑いながら前に出る、僕も教卓の前に立つ
とりあえず彼女には書記をしてもらうために頼むと、わかったと言いチョークで役を書いていった
時間内に役は決まり、授業も終わった。一応霧崎さんに一年間よろしくと言おうと思い彼女に話しかける
「霧崎さん」
『奥村くん』
ハモった
「なにかな?」
『私あとでいいから!先に言って』
「そう?ならお言葉に甘えて、学級委員一緒にがんばろうね」
『…!私も同じこと言おうと思ってた、勢いで手を挙げちゃって何やったらいいかなんてわかってなくてさっきは指示してくれてありがとう…、一年間よろしくね』
笑顔で言うと次の授業の準備をするために霧崎さんは自分席に戻った
僕はぼーっとしてしまった
近くにいたクラスメイトに声をかけられて我に帰り、自分の席に着く
ダメだ、彼女の笑顔に見とれてしまいぼーっとするなんて
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