□新しい君
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「雪男、今週の休みメッフィーランド行かね?」

「いきなり何言い出すの兄さん」

「いや、しえみにさ。メッフィーランド行きたいって言われて、二人じゃ寂しいからほかの子も誘わない?って言われて」


ぽりぽりと頭をかきながら兄さんは言う。たしかに遊びに行くのも久々だし、いいかもしれない


「お前、朱祢誘ったらどうだ?」

「えっ」

「一応誘ってみたらどうだ?大勢いたほうが楽しいだろ」

兄さんはにひひと笑いながら早く連絡取れと言ってくる、人の気も知らないで
近くにあった携帯を開く。アドレス帳にある名前を探し、メールを作成する
ゆっくりと送信ボタンを押すと送信完了画面になった、画面を確認し机の上に置くと着信音が鳴り響く
返信メールではなく、電話だった


「もしもし」

『もしもし、霧崎です。あの、いきなり電話しちゃったけど今大丈夫?』

「うん」

『あの、メッフィーランド私行きたい…。メール打ってたら時間かかると思って電話で返事しようと思って。メンバーは?』

「行くのは兄さんと僕と朱祢さんともう一人女の子、4人の予定なんだ」

『そうなんだ、なら当日楽しみにしてるね。誘ってくれてありがとう』

「こちらこそ、メッフィーランドの入口集合でお願いします」



電話を切ると兄さんに早速冷やかされた、たしかに兄さんのおかげで誘えたんだけど
早く休みにならないかと待ち遠しくてしかたがない



*****


当日


メッフィーランドの入口に行くとすごい人だった、しえみさんは迎えに行ったから今一緒にいるがこんなに人がいるなら寮付近で待ち合わせればよかった
キョロキョロしていたら後ろのほうから声がした


『すみませーん!!』

「朱祢さん、おはようございます」

「遅いぞ朱祢」

『だって、服決まらなくて…。お待たせしました』


息を切らせながら遅れた理由を説明する
ふと、しえみさんに目を向けると彼女は朱祢さんを見ながら目をキラキラさせていた。


『あ、もう一人の女の子って貴女?遅れてすみません!私霧崎朱祢って言います』

「いえいえ、私…」

『しえみちゃんだよね、燐くんから聞いたよ。今日一日よろしくね!』

「よよ、よろしくね朱祢ちゃん!」



二人は打ち解けて早速中に入ろうと女子二人は行こうとする
兄さんが待てと言いながら追いかけ、僕も後を追う
入って目の前にしたのはメフィストの銅像だった


『わぁ、理事長の銅像だ。記念に写メろー』

「こんなん撮らなくてもいいだろ」

『記念だよ初メッフィーランドの、なんなら一緒に写る?』


理事長の銅像の写真を撮り嬉しそうに笑う朱祢さんとメッフィーランドに興味津々なしえみさん
早くアトラクションに乗りたい兄さん
三人を見ていたらつい笑みがこぼれる


「兄さんがアトラクションに乗りたがってるからとりあえずアレから乗ろうか」

『アレって、ジェットコースター?私大好き!』

「あ、あの乗り物に乗るの?あれってどんなやつなの」

『大丈夫だよ、落ちるだけだから』

「朱祢さん説明おおざっぱすぎますよ」


しえみさんと兄さん
僕と朱祢さんで座る
安全レバーを下げ、早くスタートしないかとはしゃぐ朱祢さん、子供のようにはしゃぐ姿は学校では見られない新しい君だった

アトラクション後

「あぁ怖かった」

「う、酔った……」

『燐くん大丈夫?まさかの乗り物酔いって』

「飲み物買ってきます、兄さんベンチ座って待ってて。しえみさん朱祢さんも、少し休みましょう」


自動販売機に飲み物を買いに行く、兄さんには水、しえみさんにはオレンジジュース、朱祢さんは…何にしよう

『私レモンティーがいいな』

「うわっ」

『ごめん、驚かしちゃった?』

「ちょっとね、飲み物レモンティーでいいの」

『うん、飲み物全部持つの大変だと思ったから来たんだ。燐くんだいぶ復活したみたいだしね』


自動販売機からレモンティーを取り出しながら彼女は言う
僕も水を買い二人で兄さん達の待つベンチに戻った
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