□新しい君
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『しえみちゃん、燐くん。お待たせー』

「兄さん調子どう?」

「雪男!このとおりピンピンしてんぜ」

「回復早いよ、水買っといたから」

「なんで水なんだよ、コーラとかにしろよ」

『酔ってる人間にコーラはないよ、コーラは。燐くん回復したし、もう少し休憩したら次行こうか』


しえみさんがうんと立ち上がり行きたい場所があるといい、その場所に目指した
そこは…


『お、おおお、お化け屋敷…』

「前テレビで見て、入ってみたくて」

「おぉ、いいな!んじゃ早速」

『えっ、ほんとに入るのー…、雪男くん』


助けてと言わんばかりの眼差しで見てくる朱祢さん、だが兄さん達はもう入ってしまう時だった
しかたないと、その時僕が取った行動は今思うと大胆だったかと思う


『!』

「手繋いでいれば少しは怖くないから、行きますよ」


ちょっと強引に手を引っ張り走って兄さん達に追いつく
彼女はゆっくりと握り返してくれた、少し震えている手をもう一度握り直しお化け屋敷の中へ入って行った



『ひっ!』

「大丈夫ですか?」

『大丈夫じゃないです、もういますぐにでも出たい…』


暗い通路を二人で進んで行く、兄さん達歩くの早いんだ
いや、僕たちが遅いのか
朱祢さんを見ると辺りを気にしながら足を進めている
手も握られたままだ

矢印に従い足を進めていたら、曲がり角でお化け(の人)が出てきた
そのとき僕の後ろから悲鳴と衝撃が来た、腕を見ると涙を目尻にためながら腕にしがみつく朱祢さん
お化け(の人)はそのまま出てきた場所に戻っていき、その場には僕たちしかいなくなった


「あの、朱祢さん?」

『いや、お化け…いるから』

「もういませんよ」

『え?』


固く閉じていた目を開く
辺りを見渡しいないことを確認し、照れ臭そうに笑う朱祢さん
そしてしがみついていることに気がつき、ごめんなさいと言いながら今度は謝ってきた


『ごめんなさい私しがみつくなんて、邪魔だったよね』

「いえ、そんなことないですよ。先進みませんか?」

『そ、そうだね』


暗かったけど彼女は顔を赤くしていることはわかった
また自然と手を繋ぎ、出口を目指して歩きはじめた



*****

『出口だ』

「遅いよお前ら、中でイチャイチャしてたんだろ!」

『…そんなことしてないよ!お化け出てきて大変だったんだから!!』

「朱祢ちゃん、お化け怖かったよね」

『だよね、しえみちゃん!いきなり出てくるんだもん』

「それがお化け屋敷やしきだろーが」


兄さんが二人にツッコミを入れる、二人は兄さんにブーイングした
お化け屋敷を満喫?した僕たちは最後に観覧車に乗った
4人まとめて入る
徐々に上がっていき、景色も変わっていく
しえみさんと朱祢さんはメッフィーランドを見下ろし、今度はと次の計画をしていた
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