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□0009:同じ顔をください
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すごく綺麗に笑う人だと思った。
それが第一印象、それ以上でもそれ以下でもない。
すごく綺麗な笑顔。
その笑顔が脳裏から離れようとしてくれない。
「あ、南沢くんやほー」
偶然会っただけなのに、今日も手を振ってくれて。
こんにちは、と返事をするといい天気だね暇?と聞かれた。
暇です、と答えたらそれじゃあ遊びに行こうかと彼女が笑ったものだから。
「いいんですか?」
「水族館行こう水族館!あ、遊園地のほうがいいかな?
映画でも見に行く?」
「いや、名無しさんさん彼氏いるでしょ」
思わず、たじろいだ。