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□星に願いを
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7月7日。
今日は、天の川に隔てられた織姫と彦星が年に1回会えるという伝説のある日だ。
私と洋ちゃんもそう。
年に1回とまではいわないけど、神奈川県と千葉県という県に隔てられて、しかも洋ちゃんは忙しいからお盆とお正月とあとたまに洋ちゃんがオフの日くらいしか会えない。
「あーあ、今頃織姫と彦星は会えてるんだろうなー」
羨ましい、とキラキラと光る天の川を見て愚痴を零す。
わかってるんだよ、わかってる。
洋ちゃんはレギュラーで、今は夏の予選の目前だから忙しいってこと。私のことなんか、考えてる暇ないんだってこと。
わかってるんだけど...
ベッドに寝転がって、携帯を開く。待ち受け画面に映ってるのは、洋ちゃんと私のツーショット写メ。
これ、いつだっけ。もう、何カ月も会えてないよ――。
そんなことを考えていると、いきなり携帯が着信音を鳴らした。
洋ちゃんだ!
急いで起き上がって、通話ボタンを押す。
「も、もももしもし!」
「ヒャハッ、お前、吃りすぎ」
洋ちゃんだ。洋ちゃんの声だ。
嬉しくて、胸の奥がジーンと温まるのを感じた。