NOVAL

□stars
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「透?」
「よぉ、愛美。」
「なあに? さすがの名探偵もやっぱり今日だけは人恋しくなったりするの?」
「…オメー、拗ねてんだろ? 今日だからって。」
「馬鹿にしないでよ、一人は慣れてるもの。」
「そういう事言うなよ、悪かったよ…。ここんとこ忙しかったしなぁ…。」
「言い訳なんてらしくないよ、そ・れ・に、聞きたくもないし。」
「…やっぱり怒ってるくせに。」
「なんか言った?透?」
「言ってません、言ってません!」
「それで?用件は?まさか本当に一人ぼっちが急に切なくなって電話してきただなんて戯言、言わないわよね?」
「…オレは何処の冷酷漢だってんだ。別に一人ぼっちが寂しくて電話した訳じゃねーけど。
そういうオレを真っ向から否定されるのも不愉快だったりするんだけど?」
「え〜? 不満なの?大事な約束すっぽかして、血生臭い事件に楽しそーに追い掛け回している人が良く言うわよね。」
「…愛美、オメー、どんどんオレへの風当たりが強くなってねーか?」
「気のせいよ。」
「……冷てーなぁ。」
「ごめんって、ちょっとした意地悪よ、認めますけど。」
「ならいいけど。」
「復活早! ちょっとお、反省してるのかなァ?」
「うるせーよ。そういや、オメー何処にいんだよ」
「何処に居ると思う? 実は一人ぼっちじゃないのよねー」
「なっ!?」
「楽しい所に居るんだなぁ、これが!いいでしょ!」
「何処に居るんだよ? お前!」
「ひ・み・つ〜 すっごく楽しいんだから!」
「オマっ… 言えよ!何処に居んだって!」
「……知りたい? あ、あと10分でクリスマスだ!」
「話ずらすなよ! 何処に居るんだよ!」
「…園子ちゃんちの会社のクリスマスパーティーに呼ばれたの!綺麗なドレス着て、美味しい料理食べて、有名な芸能人と一杯話して…すっごく楽しかった! で、今はパーティーやったホテルに泊まってるってわけ。」
「じゃあ今、家に居ないのか?」
「うん小母様達は、家族水入らずで食事に行ってるから。広い家に一人で居るのも嫌だしね」
「…畜生…」
「え?何か言った?」
「いや、別に…」
「明日は、帰ってこれそう?あ。居る所遠いんだっけ?」
「ああ、これ以上お前を放って置くと危険だしな…」
「何よ、放ったのは透でしょー?私のせいじゃないし。しかも私が危なっかしいみたいじゃない!」
「本当の事だし。お前は危ない」
「…もういいわよ、切るからね!」
「まっ、待てよっ! 明日っ!明日だなぁ!」
「何?」
「明日は警部達に休ましてもらえるように言ったんだ。久しぶりにデートでもしようぜ」
「本当?! 約束よ!」




愛美の喜ぶ顔はみたい一心の透である。
 

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