NOVAL
□嫉妬
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それは、久しぶりに現代に戻り学校に行った時のことだった。
約1週間ぶりに学校の授業を受けると、黒板に書かれる数字や漢字が羅列する文章や数式はかごめにとって、全く分からない。
前に来た時、習ったことすら思い出せない。
『やばい、受験やばい』
先生の言う一字一句全てを漏らさずノートに書き写しながら、頭の中は混乱していた。
その、放課後の事である。
授業が全く分からず、情けない自分と現状に溜息をつきながら帰る支度をしていると、肩を叩かれた。
「あ、絵里」
かごめの仲の良いクラスメートだ。
仮病を使って学校を休みがちでも、登校した際には前となんら変わらずに接してくれる。
「かごめ、明日空いてるわよね?」
「え?」
昨日までテスト勉強のために1日、3日間のテストを終え、今日の夜・もしくは明日朝一番に向こうに帰るつもりであった。
「かごめ、最近病院と学校の往復でしょ?テストの事で頭いっぱいだろうし…」
「うん…まあ」
本当は現代と戦国時代の往復で、犬夜叉の元へ早く帰りたい一心だったなんて、口が裂けても言えない。
「でね、みんなで明日駅前に遊びに行こうってことになって。」
「駅前に?」
「そう、新しくショッピングモールが出来たのよ。かごめ知らないでしょ?」
「し、知らない!!」
駅前に新しくできた、若い子向けの店が並ぶショッピングモールが先月オープンしたらしい。
絵里たちは放課後に何度か足を運んでいるらしい。
しかし、現代と戦国時代を往復するかごめは勉強すらままならないので、そんなお出かけなど久しく行っていない。
無論、我が家の話題にショッピングモールの話が上がることもなく、今の今まで存在を知らなかった。
「どう、かごめ、行けそう?」
「行く!行く!行きたい!」
即効かごめは返事をした。
あまり、絵里たちとも遊べて居ないし、話だってしたい。
『犬夜叉だって、ちゃんと話せばわかってくれるわよね!』
絵里たちと談笑しつつ帰宅したのち、了承を得る為、すぐさま枯れ井戸に飛び込んだ。