CONAN

□惚気るな
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すっぽりと腕の中に収まってしまうくらい細い。
ありったけの力を込めたら折れてしまうと思うほど腕だって足だって細い。
手首足首は自分の手の親指と薬指がくっついてしまうほど。
それなのに空手ができて主将で強いなんて
並みの男なんてのせてしまえるほど強いのに、筋骨隆々じゃなくて、
抱けば柔らかなクッションを思い出すような感触なんて反則だ。
加えて何時も死ぬほど鍛錬しているのに、その後に抱きしめても所謂匂いは変わらず
甘いボディーソープの匂いが来るのだ。

髪はずうっとそのまま、俺の好きな形のまま
何時の日か「オメーにはその髪型のほうが似合ってるよ」って言った事、覚えてくれているのか知らないが、ずうっと腰に届くくらい長く伸ばした黒の髪。
癖っ毛枝毛なんてものは知らない様な、一本一本綺麗な髪の毛は、ボディーソープと同じ種類のシャンプーの香りがする。他の女はそんな匂いしないのに、どうして彼女だけ匂いが強いのかは謎。一緒に一年ほど暮らしていても解明できなかった。
サラサラした髪の毛は、風に靡くとほら綺麗。
空手をするときにだけ、高く結ぶポニーテールも密かにお気に入り。
覗けてしまう白い項にクラクラする。
真っ直ぐストレートの髪は、彼女の愛らしい容姿に似合う。
本当に、母親似で良かった。
彼女はモデルや女優にスカウトされるほどの美貌がある
目は大きくて二重で、瞳はくすんでいない
黒目がちの目が自分だけを見ていると知ると、ドキドキする
吸い込まれてもかまわないと思う。
鼻はすうっと通っていて、毛穴なんて見当たらない。
唇は桃色で具合が悪いと直ぐ分る機能付き。ちなみにオレしか使用不可能。
ずーっとみて来た俺しか分からない変化なのだ。
なんてバランスの整った造り。
大女優の母でさえ、彼女の前では霞む。
幼い印象を残す可愛らしい顔立ちだと言うのに、凶器を持っている
前述の通り細身だと言うのに、豊満なバストをお持ちと来た。
ビーズクッションみたいに柔らかなその胸は優しく自分を包んでくれる
ふわふわなそれは、ちゃあんと欲望を受け止めてくれて
だーいすき

思わずぎゅっとしたくなる仕草を一杯する彼女は
ぎゅっとしたくなる感触と匂いがある
例えば抱き枕。
四六時中抱いてても飽きない。
だって一秒ごとに表情が変わるから飽きない。
丁度彼女の頭が自分の鎖骨にフィットするよう抱きしめるのが今一番いい感じ
そうすっとちゃあんと彼女も腰に腕を回してくれる。
ぎゅってして嫌々言う彼女も、結局はそうゆうことするのは好きなんだよな
そこがまた可愛くて抱きしめちゃう


それになあの名前
凛として綺麗で儚げで、美しい。彼女にぴったりだろ?
多分俺、きっとこの世で一番口にしてると思うんだよな
単に呼ぶ時も、話す時も、抱きしめる時も、思い出す時も、何してても
一日の中で口にしない日はない。断言できる。
あんまり認めたくないけど、これだけは小父さんよくやった!って思う
こんなこと彼女に話したら、彼女も彼女で俺の名前がこの世で一番口にしてるって
惚けながら言ってくれた
だからこの世で一番好きな言葉
“蘭”
尊敬するホームズよりも、だ
携帯でら、って打てば予測変換で一番先に来るのは蘭。

多分俺、蘭の髪の先から足の爪先まで全て
受け入れられる。
全て全て、蘭の織り成すもの、蘭が織りなすもの俺は好き
誰にも負けない。



「…な、蘭って可愛いだろ?園子?」
「……惚気るなっ!!」
蘭の部活が終わるまで、図書室で待つ新一と園子の会話である。
 

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