NOVAL

□オレの彼女は
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オレ、服部平次




巷で有名なあの高校生探偵や!



ちょっと前までは「眠りの小五郎」っちゅうおっさんが探偵として有名だったんやけど、それも今は昔の話。
現在は「西の服部東の工藤」の西の探偵と言えばの俺や。


それと改方学園の俺と言えば、剣道部の大将。
今はもう引退してやってへんけど、そら有名だった。京都の泉心高校の沖田とは毎回毎回ギリギリのええ勝負繰り広げて来た。





話を前に戻して、“西”と称される俺の親友でもありライバルでもある“東”の工藤新一、コイツは最近まで行方知れずになっとったんやけど、(それはまた別の話や)今はもう元通りの生活を送っとる。工藤は戻った時に、幼馴染の毛利蘭っちゅう姉ちゃんに16年越しの想いを伝えたんやけど―――

今はもうアツアツの2人の影響を受けてか、俺も――――――――

俺にも、幼馴染がおってな。
遠山和葉ちゅう喧しい女なんやけど、でも、まあ、その、なんや、好きなんや。
(それはココに置いといて)
工藤と姉ちゃんの影響を受けてか、俺と和葉も人生分の想いを打ち明けて、やっと念願の恋人になった。





まあ恋人に成ったと言っても、それまでの生活と大きく変わる所はない。
そら親とかダチに騒がれたり、倍に二人で過ごす時間が増えたりとか、するんやけど二人でいることは今まで十分してきたからなァ。

やけど、「恋人」ちゅう名の関係が必要と言われれば、必要なんや。





例えば、和葉が道頓堀やら人出の多いとこ行って男に引っかけられたとしてや。
俺は今までにも、それを制してきたことが何度かあった。
やけど「お前この子のなんやねん!」と言われてまうと、「単なる幼馴染や!」とかっちょ悪い言葉を吐かなアカンかった。
後日談でそれはそれで和葉は嬉しかったらしいけど、
でも男としては、嫌やねん。

アイツに男が近づくこと耐えられへんのに、さらにイライラが重なって、一時期は誰かれ構わず振り散らしとった。

だけどや。
「恋人」なら、和葉引っかけた男に「お前この子のなんやねん!」と胡散臭そうに言われても「コイツの男や!」とカッコよく言えるやないか!




関係によって、不安や嫉妬心が少なくなったことは確かや。

少なくなっただけや。
無くなってへんのや。

なんでやって?



結婚した女の人とちごて(違って)、指輪みたいな証もない。
ぱっと見ただけでは、恋人が居るなんてわからへんからなァ。
和葉に声かける男は仰山おるんや。



この間は校内の一年坊主やろ。
和葉の隣に住む大学生やろ。
通学途中の電車に乗ってくるサラリーマンやろ。
よく使うコンビニのバイトやろ。
和葉と戦こうた他校の男子部員やろ。
大阪警察署の剣道部のオッサンやろ。



数えきれへんねん!




俺は止めとけいうて、忠告しとるっちゅうのにアイツは男を誘うような肩や腕や足出した服なんか気やがって。


綺麗なんはわかるけど、男としては嫌やねん。

工藤に相談したら「本人に直接言えばいいじゃねえか」とかなんとか分かり切ったことを言いよったけど、それが出来たら苦労はせんねん。

お互い長い時間いるとな、真面目な話なんてせえへん。
俺らの間に真面目な話はない。


「お前が露出の高い服着て、男に注目されんの嫌やねん」

なんて、言うたら和葉に指差されて大爆笑されるに決まっとる。







ああ、もうどうしたらええんやろか…
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