NOVAL

□現実主義
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週末前の学校。

生徒たちの集中力も欠けてきて、楽しい楽しい休みまであと二時限となり、どうしてかいつも心は軽くなり、うきうきするものだ。

今週は残すところ二時限の帝丹高校は昼休みだった。

2年B組も、何時も通りのランチタイムを過ごしていた。










皆それぞれ、仲のいい友達といくつかの机を並べて着けて、弁当を囲んで食べていた。

蘭も園子や他の女子達と共に恋の話だの勉強の話だの学校内に纏わる話だの、会話を楽しんでいる。

少し離れた所で新一も、サッカー部やその他のクラスメイト達とお弁当を突いている。
新一がちらりと蘭の方を振り返って見ると、その輪の中にいた園子が歯をむき出して恐ろしい形相をしていた。
他の女子や蘭は、園子の顔を見て吹き出して笑ったり怯えたりしている。
蘭は勿論、怯えた表情だ。
強気な蘭がそんな顔をするのは恐らく、お化けや怪物、怪談の類だろう。


どうせ園子は驚かせることを楽しみにしているから、怯えている蘭達の顔を見て自己満足してるんだろうけれど。


多分、下校時に蘭から一部始終を聞かされるだろうけど…





『その顔、可愛くね―ぞ、園子の奴…』
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