■短編
□子供って
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「ねぇシズちゃん、子供ってどうやって出来るか知ってる?」
今は新羅と一緒に教室で昼食をとっていたのだが、いつの間にか静雄の隣にいた臨也が意味不明な事を聞いてきた。
「何だよいきなり。つか何で居んだよ?さっさと出てけ死ね」
「いいじゃん居たって、つか新羅も気にならない?シズちゃんの考えがさ」
「確かに気になるなぁ!静雄だから普通の考えじゃなさそう」
臨也は上手く新羅を利用して静雄の考えを聞き出そうとしている。
「んな事誰だって知ってるんだから、普通も何もねぇだろ……」
「じゃあ教えてよ」
ズイッと顔を近付けてくる臨也に静雄はキモがりながら言う。
「キスすりゃできんだろ?」
「「は?」」
静雄の答えにおもわず新羅と声がかぶってしまった。その事に舌打ちすれば新羅に「舌打ちは酷くない!?」と過激な反応をしてきたが、軽く無視をきめて話を続ける。
「……シズちゃん本気で言ってるの?」
「は?本気も何も手前どうやって子供出来るか知らねぇのかよ」
まるでこっちが間違っているかのように言ってくるシズちゃんに本気でこの子馬鹿だった!!と改めて思う臨也。
「中学生で習ったよね!?」
「静雄、保健体育の時間はいつも寝てたしね」
庇っているのか何なのかわからない新羅の言葉を聞いて、微妙に納得した。
「つか、違うのか?」
新羅の反応でやっと自分の言葉に自信がなくなってきたのか、少し心配そうに聞いてくる。
「新羅の言葉は信じるわけ!?」
「黙れノミ蟲」
「ひっど!!!本当はね、子供は」
「い、臨也言っちゃ駄目だよ!純粋な静雄が汚れちゃう!!」
「……?何だよお前ら。ハッキリ言えよ」
二人に教えてもらえない事にムッとしている静雄を見て臨也がニタリと笑う。
それに気付いた新羅はうっわ!臨也のやつ絶対変な事言う!と、心の中で思い黙って二人を見守る。
「シズちゃんには特別に俺が教えてあげる」
――うっわ!予感的中しちゃったよ…。
「は?何だよそれ。だったら新羅に聞くから別にいいし」
静雄はこっちを向き、さっさと教えろと言ってくるが臨也をちらりとみると、ニコニコと怖いくらいの笑みを浮かべていた。目は笑っていなかったが…。
それに体をビクリとさせ、
「ぼ、僕ちょっと体調悪いから保健室行って来る!」
と早足で教室を出ていった。
「様子変じゃなかったか?」
「そう?いつもどうりでしょ」
いまだに新羅が出ていった方を見つめる静雄の腕を掴むと、そのまま立ち上がらせ教室の入り口へと足を進める。
「ちょっ、お前どこ行くきだよ!?」
「んー…空き教室?」
ニッコリ笑いながら言う臨也に怪しさを感じて逃げようとするが、掴まれている腕が逃げるのを邪魔する。
「知りたいんでしょ?本当の子供のでき方」
その一言で逃げるのをやめ、臨也に黙ってついていく事にした静雄は後で後悔することとなる。
優しく教えてあげましょう!!
(本当にちゃんと教えるんだろうな?)
(勿論!(まぁ、女子とは少し違うけどね))
(つか、空き教室行かなきゃ教えられねぇのかよ?)
(そりゃそうだよ!シズちゃんも楽しめるよ!)
(…手前何の話してんだ?)