*Title 2*

□42.恋する乙女
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「……はぁ〜」


自他共に認める、運動馬鹿な俺。
小学生のうちからサッカー一筋で、ボールは友達、よく寝てよく食べよく笑い、という生活を高校生になるまでずっと続けていた。
それなのに。


「カケル、どーした?ため息つくなんて、らしくないぞ?」

「……先輩、俺、ビョーキなんです、ビョーキ」

「はぁ?お前、風邪すらひいたことない癖に病気だぁ?」


部室の机に突っ伏す俺に目をまん丸くして先輩が大声を出す。


「はぁぁ〜………」


 








 
──先輩にはびょーき、なんて言ったけれど、それはあながち嘘ではなくて。
胸が苦しくて、頭がぼーってして夢中になる、恋の病ってやつ?
恋患い、なんて言葉を考えた人は偉大だなんてしょうもないことを考えながら家路を急ぐ。


「たっ、ただいまっ!!」

「カケル君、おかえり。ちょうどよかった、もうすぐご飯出来るとこだよ」


最近部活帰りに友達とファミレスでだらだら過ごすこともなく、真っ直ぐ帰る理由はただ一つ、従兄弟の浩介さんが待つ家に一秒でも早く帰りたいから。
…まぁ、実際のとこ、俺のことを待ってくれているわけではないと思うけど、そのへんの細かいことはどーでもいい。 
この恋い焦がれる女々しい気持ちの原因だって彼である。
 


 

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