メインストーリー
□ブライダル配信記念〜ある日の広末家〜
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カチャッ☆
「ただいまー」
そらさんが仕事から帰って来た。
「おかえりなさい」
私は急いで玄関に出迎えに行く。
「お疲れ様です。今日は早かったんですね」
「急に予定が変更になってさ。子供達は?」
誰もいないリビングに入ると、外したネクタイを手渡しながら、そらさんが尋ねる。
しばらく帰りが遅かったそらさん。
今日は早かったとはいえ、子供達はもうそろそろ寝る時間。
「大河(たいが)は部屋に。風花(ふうか)はお風呂ですけど、そろそろ上がる頃…」
「あっ!お父さんだっ!おかえりなさ〜い」
ぎゅうっ。
そらを見つけるなり、長女の風花が駆け寄って抱きつく。
「ただいま。偉いなぁ、風花。1人でお風呂入ってたんだ」
「だって、もうすぐ1年生だよ?」
「ははっ、そうだったね」
顔を見上げる風花の頭を、そらさんが優しく撫でる。
「ん?髪、まだ濡れてるじゃん。乾かしてあげるから、おいで」
そう言って風花を抱き上げるそらさんに、私は声をかける。
「それじゃ、ついでにお風呂入ってきて下さい、その間にご飯の準備しときますから」
「は〜い」