メインストーリー

□優しいkissを… vol.10
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桜の花も咲き始め、頬をなでてゆく風も暖かくなってきた、ある春の日―

今日は、そらさんと1日デート。

映画を見に行く予定だったけど、天気が良さそうだから公園に行こうって、昨夜、そらさんから電話があった。

私は早起きしてお弁当を作り(…と言っても急だったから、大した物は作れなかったけど…)家の前でそらさんを待っていると、そらさんの車が見えて来て私の前で停まった。

「おはよう。紗絢ちゃん」

「おはようございます。天気よくてよかったですね」

助手席に乗り込むと、そらさんは車を走らせた。


「今日は、紗絢ちゃんと1日一緒に居れるから、超嬉しい。」

「私もです。でも…どこの公園行くんですか?車って事は、いつも行ってる近くの公園じゃないんですよね」

「うん。行ってからのお楽しみ!」

そらさんは、いつもこう言って、いたずらっぽく笑う。

私が驚いたり、喜んだりするのを面白がってるみたい。

でも、それが私も嬉しくて、あえてそれ以上は聞かずに、そらさんのサプライズに、ワクワク感を募らせる。

いつだって期待外れだった事なんて、ないんだから。

1時間程車を走らせ、着いた所は、結構大きな公園だった。
春休みという事もあり、駐車場は満車に近かった。

ようやく、空いてる所に車を停め、私達は公園の入り口に向かう。

「ここ、雑誌で見たことあります。初めて来ましたけど」

「そう?オレも来るのは初めてかな」

「確かアスレチックとかあって、あ、花もたくさん咲いてて、綺麗なんですよね」

「うん。きっと気に入ると思うよ」
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