書き下ろし

□そらのミッションリポート
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○月×日

今回のミッションは、あの平泉外務大臣…じゃなかった、今日付けで総理大臣に任命された、平泉総理の1人娘を確保し、警護する事。
平泉総理と言えば、今どき珍しい清廉潔白の政治家で、オレも尊敬している。

独身と公表されてたその総理に、娘がいた事自体びっくりしたけど、その娘が……これまた、びっくりするくらい、超かわいかったりするんだよね。

しかも、女子大生。

もう、ソッコー口説いてお持ち帰り…と、言いたいとこだけど、残念な事に、彼女はマルタイ。
つまり、警護対象。
ぜーったいに手を出しちゃいけない。

別に、女の子に不自由してる訳じゃないし、まぁ、仕事だって割りきってしまえばどうって事ないけどね。

でも、どうせ、仕事で四六時中警護するんだったら、オッサンなんかより、こんなかわいい子の方がいいに決まってる。

なぜか、桂木班の他のメンバーも、彼女の事が気に入ったらしく、彼女の警護担当を誰もが志願した為、彼女自身に決めてもらうって事になったんだけど………。

「ったく、どこに居るんだよ」

わざわざ、女装までさせられて、大学まで行ったってのに、彼女はすでに下校していて、どうやら今、この辺りにいるらしい、
という情報を入手した。

人混みを掻き分けながら、オレは彼女の写真を手に、時々通行人に尋ねながら、彼女を探した。

「!」

いた!

ビルのハイビジョン映像を見上げる、1人の女の子。

写真より更に、超かわいいじゃん。

オレは、思わず見とれてしまった。

はっ!いっけね〜。
任務、任務っと。

彼女は今、何者かに狙われてる可能性がある。

その為に、オレ達が保護して……って、なんだ?

彼女の様子がおかしい。

オレは、彼女に近づきながら、班長に報告をする。

「マルタイを発見しました。現在○×駅前通り。怪しい人物が彼女に接触中です。至急、援護を要請します」

「わかった。すぐに上空で捜索中の昴と瑞貴に向かわせる。いいか、そら、絶対にマルタイから目を離すなよ」

「了解!」

行き交う人の流れの中、オレは彼女を見失わないように慎重に歩を進める。

ここは1つカッコよく登場して、彼女にオレに警護してほしいって思わせて…って…やばっ!オレ今、女装してんじゃん!

ちくしょ〜!
こんな初対面、あり得ないっつーの!

…仕方ない。
女の格好の方が警戒されないだろうし、この際、カッコいい登場シーンは諦めよう。
ようし!

こうなったら、とにかく、彼女はオレが守る!

何が何でも、オレが彼女を守ってみせる!

絶対ぜーったい、守ってやるー!!



―おわり―
 

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