メインストーリー
□優しいKissを… vol.1
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(飲み会、放り出して行っちゃうって…なんの用だろう……もしかして、女の子?……そんなわけ、ないよね。私ってば、今、信じてるって言ったばっかりなのに……何考えてるんだろう)
モヤモヤした気持ちを、押し流すように、私は半分以上残ってたカクテルを一気に飲み干した。
「ちょっと、紗絢? そんな飲み方したら…」
びっくりした、みどりが 言いかけた時、
「あ〜!紗絢ちゃん。いた!」
店のドアが開いて、入ってきたのは…、
「そらさん?…どうして…」
「だって、紗絢ちゃんも今日飲み会って言ってたじゃん。だから、ここにいるかなぁと思って。…ホラ、憲太も来いよ」
そらさんの後ろには、真壁さんがいた。
「電話しようとしたら、バッテリー切れててさ」
そらさんはいつもと変わらない笑顔で、部長とみどりに挨拶して私の隣に座る。
「さっき、海司から電話ありましたよ。連絡とれないって……」
「え?マジ? 何か言ってた?」
「いえ…明日でもいいから、また連絡してみるって…」
私は、そらさんの向こう側に座った真壁さんを見ながら、聞いてみる。
「あの…真壁さんと一緒だったんですか?」
「ん?」
そらさんは、真壁さんの方をチラッと 見て、
「そうなんだよ。さぁ飲むぞって時に、こいつ電話してきてさ、『他のメンバーには内緒で相談がある』って言うから何事かと思って飛んでったらさ…」