メインストーリー
□優しいKissを… vol.2
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「笑ってませんよ」
「笑ってるじゃん」
私は、そらさんの腕の中でクスクス笑った。
「あんまり笑ってると…」
(ドキン!)
そらさんの柔らかな髪が頬に触れて、首筋にキスをされた。
「こ〜んな事したくなっちゃうでしょ?いいの?」
耳元で優しい声。
心臓の音が、部屋中に響き渡りそうに鳴ってる。
「そらさん…」
腰に廻された手に、そっと手を重ねる。
その時、
『♪〜』
こもった音で、私の携帯が鳴った。
急に現実に引き戻されたような感覚で、ベッドの脇に置いてあったバッグから携帯を取り出す。
(あれ?また海司からだ)
「もしもし」
「あ、俺だけど、起きてたか?」
「え?…あ、うん」
ちらっと、そらさんに目をやると、気まずそうに頭を掻いてる。
私は、まだドキドキしてる胸を押さえ、平静を装って聞いた。
「何か…用?」
「そらさんの携帯、まだ繋がんねーんだけど、お前何か知らない…」
「あっ!ちょっと待って」
急いで、そらさんに携帯を渡す。
「海司からです」
「えっ?」
ちょっと、びっくりして携帯を受けとると、反対向いて喋り出す。
「もしもし?」
「そらさん?! なんでこんな
時間に紗絢といるんスか! まさか…」
「あーもう、うるさいなぁ。お前、声でかすぎ!」
(ホント、こっちまで聞こえるよ)
そらさんは、イラッとした口調になる。
「お前こそ、こんな時間に何の用だよ」
「正月のスケジュール、入れてないの、そらさんだけっスよ! どうするんスか? 班長、勝手に決めるって怒ってましたよ!」
「うわっ、やべっ。忘れてた!」