メインストーリー
□優しいkissを… B.D特別企画
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「そりゃ、昴さんや瑞貴が言う通りだな。そらさんにとったら、お前からプレゼント貰うって事に意味があるんじゃねーの?」
「そうですよ。そんなに、悩まなくても、単純に誕生日を祝ってやれば、そらもきっと満足しますよ」
桂木さんも、優しい笑顔で答えてくれた。
(は〜っ。お祝いって言われても…ほんとに何したらいいんだか…。考えてはみたんだけどね。好きな手料理作ってあげたり、そらさんが行きたい所で2人っきりで過ごしたり…でも、なんかいつものデートと代わり映えしないっていうか…)
「それに、プレゼントだけじゃないんです。そらさん、私の誕生日の時にも素敵なサプライズしてくれて、誕生日に関わらず、いつも驚かせたり、喜ばせたりするの上手いから、私も何かしてあげたくて」
「確かに、そらさん、サプライズ好きですよね」
「サプライズっつーか、いたずらって感じもするけどな。真壁の誕生日なんか、悲惨だったぜ?」
「そ、そうなんだ」
(私の時は、感激する事ばっかりだけどな)
「しかし…、そうだな…」
昴さんが腕を組んで、じっと何かを考えてる。
「これは、そらにサプライズをしかけるチャンスかもしれないな。日頃、俺達もそらのサプライズには、引っ掛かってばかりだし」
「へ?」
「桂木さん、その日そらの予定、どうなってますか?」
「ん?ちょっと待て…。えーと、20日だったな。その日は、昼頃まで私と都内で警護にあたる事になってる。午後からはオフだが」
桂木さんが、スケジュール帳を確認する。
「よし。俺はその日は夜勤だし」
「あ、僕も一緒ですから、参加出来ますよ」
「俺も午後は、空いてます。昴さん、何かやるんっすね!手伝います!」
瑞貴さんと、海司まで話にのってきて、昴さんが、勢いよく立ち上がる。何だか、凄く生き生きした顔してるんだけど?
「紗絢、バースデーサプライズは、俺達に任せろ」
「え?は?あの…昴さん?」
「昴、何をするか知らないが、あまり警察官らしからぬ行動は…」
「わかってます。班長に迷惑はかけません」
(って…何をしようと…)
「お疲れさまでーす」
その時、勢いよくドアが開いて、真壁さんが入ってきた。
「真壁?いい所へ来たな。お前に、特別なミッションを与える」
「ミッション?ほんとですか?!」
真壁さんは、突然そう言われて、昴さんの側に駆け寄る。
「あぁ。お前にしか出来ない重要な仕事だ。やってくれるな?」
「もちろんですっ!皆さんと一緒に仕事出来るなんて夢のようですっ!」
もうすでに、心ここにあらず…みたいな表情で、みんなの間を飛び回っている真壁さん。何か勘違いしてるし。
(昴さん、何をさせるつもりなんだろう。って、それ以前に、サプライズって、何するつもりなのー?!
は〜…なんか、おかしな事になっちゃったな〜)
ため息をついて、椅子の背もたれに寄りかかると、瑞貴さんが隣に座った。
「プレゼント、やっぱり、紗絢さんが悩んで考えたものが、そらさんは1番喜ぶと思いますよ?」
「瑞貴さん…」
「そうそう。どんな物でも、お前の気持ちが込もってれば、それが何よりのプレゼントだって!」
「海司…」
後ろから、海司がポンと肩を叩いた。
「うん。そうだよね」
誕生日まであまり時間はないけど、私に出来る心の込もったプレゼント、ちゃんと考えてみよう!
その日の夜―
そらさんから電話があった。
『あのさ、今度の水曜だけど、紗絢ちゃん時間ある?』
「えっと…そらさんの誕生日ですよね」
『知ってたの?』
「もちろんです。その日は、学校も夏休みに入ってるし、私もそらさんのお祝いしたいって思ってましたから」
『マジで?うわっ、超嬉しいんだけど!それじゃさ、オレ、昼頃仕事終わるから、一緒にメシ食って、それからどこか2人っきりになれるとこ行って…』
「ち、ちょっと待って下さい!」
『何?都合悪い?』
「いえ!その…そらさんの誕生日なのに、そらさんに仕切らせちゃうの悪いなーって。せっかくですから、私が何かプラン立てます」
『え?そう?オレは別に紗絢ちゃんと過ごせるなら、どこで何してもいいんだけど。じゃあ、とりあえず仕事終わったら連絡するね』
「はい」
ごめんなさい、そらさん。
サプライズの為とはいえ、なんか騙してるみたいで気が引けるなー。
でも、きっと楽しいバースデーパーティーになる!
…よね?