メインストーリー

□優しいkissを…vol.6
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冷たい北風が吹く、冬の午後。

久しぶりに、そらさんの仕事が早く終わったので、私の家で夕飯を食べる事にして、近くのスーパーに買い物に来ている。


「そらさん、何食べたいですか?」

隣でカートを押してる、そらさんに聞くと、

「オレは、紗絢ちゃんの作ったのだったら、何でもOKだよ」

と、ニコニコして答える。

「うーん、それじゃ、鍋なんてどうです?寒いし」

「イイね、イイね!紗絢ちゃんと二人でお鍋なんて、超うれしい」

テンション上がってる、そらさん見てると、私も嬉しくなる。

「それじゃ、白菜と、ネギと、椎茸と…」

「お肉!絶対牛肉!」

「ふふっ。牛肉だったら、すき焼きか、しゃぶしゃぶか…どっちが…」

「そらさん!紗絢さん!」

野菜をカートに入れて、精肉コーナーに向かおうとしたら、突然後ろから声を掛けられた。

聞き覚えのある声に、振り返ると…

「憲太!」

「真壁さん」

そこには、買い物カゴを持った、真壁さんがいた。


「わー、奇遇ですね」

「何やってんだよ」

「何…って、夕飯の買い物ですよ」

いつもの、人なつっこい笑顔で答える真壁さん。

「ってか、お前ン家、近くにスーパーあるじゃん。なんでこんなトコまでわざわざ…」

「い…いいじゃないですか!たまには違う所で、買い物しようかなって…」

チラッと、私と目が合って口ごもると、私達のカートに視線を移す。

「それより、そらさん達は、鍋するんですか?」

「そうだけど?」

「いいなぁ。一人だと、鍋したくても、なかなか出来ないんですよね」

「今、コンビニとかでも、売ってるじゃん。一人用の鍋」

「それはそうですけど、やっぱり鍋は、大勢で食べた方が美味しいですよね。特にこんなに寒い日は…羨ましいなぁ」

上目遣いで、私とそらさんを交互に見つめる真壁さん。

その、捨てられた仔犬の様な眼差しに、私は思わず、

「あの、ウチでよかったら、一緒にどうですか?」

と、口にしてしまった。

「ええっ?紗絢ちゃん!?」

「いいんですか!?」

二人のセリフが同時に私に向けられたかと思うと、次の瞬間には、

「それじゃ、ボク、他の方達にも連絡しときますね!」

そう言い残して、真壁さんは、あっと言う間に立ち去ってしまった。

「って…ぅおいっ!憲太!?他の…って誰だよー!」
もちろん、そらさんの声は届いていない…。
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