メインストーリー

□優しいkissを…vol.6
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ドアを開けると、海司と真壁さんがいた。

「あれ?一緒だったの?」

「コイツ一人じゃ、入りにくいって、下で待ってたんだよ」

さっさと上がり込む海司の後ろから、真壁さんが照れくさそうに入ってくる。

「考えてみたら、紗絢さんちに入るのって、初めてだから緊張しちゃって…。お邪魔します」


「ホレ。材料」

リビングに戻ると、海司に買い物袋を渡される。

「これ、何?」

「ホルモンだよ。鍋っつったら、もつ鍋だろ」

「はぁ?ったく、憲太。どういう連絡したんだよ。瑞貴は変な鍋持って来るし、海司はホルモンって…こんなに色々集まってどーすんの?」

「すみません、ボク、何鍋するのか聞いてなかったから、何持って来たらいいか聞かれて、皆さんが食べたい物持ち寄ればいいんじゃないかって言っちゃったんです。あ、ボクからはこれですけど」

そらさんに詰め寄られて、真壁さんがそっとビールを差し出す。

「で、他には?まさか、昴さんや班長にも?」

「昴さんには、僕が連絡を。仕事、早く終わりそうだから、俺にまかせろって、変に張り切ってましたけど…」

と、瑞貴さん。

「マジ?嫌な予感がする」

「そうっスね」
そらさんと海司は、顔を見合わせる。

「あ、桂木さんは、仕事中みたいでしたので、メール入れときました」

「憲太ぁ…また余計な事を。班長来たら、オレ呑めねーじゃん」

「私が居なくても、お前は禁酒だ」

「げ!班長!っつか、不法侵入じゃね?」

いつの間にか、リビングの入り口に桂木さんが立っていた。

「人聞きの悪い事言うな。ちゃんとインターホン鳴らしたが、返事がなかったんだ。それと、紗絢さん、玄関の鍵はきちんと閉めないと駄目ですよ」

「あっ!すみません。忘れてました」

「いえ、私こそ、勝手にお邪魔してすみません」

「で、班長は何鍋持って来たんスか?」

海司が、桂木さんの手にある袋を指さして尋ねた。

桂木さんは、その袋を私に差し出して、急に申し訳なさそうに頭を掻いた。

「いや、それが、さっき総理の警護が終わったばかりで、買い物に行く暇がなかったんです。申し訳ありません。これ、うちに在ったものですが…。やはり、鍋には日本酒が合うかと」

「やっりぃー。さすが班長!」

「お前はこれだ、そら」

「って…烏龍茶…」

明らかにがっかりする、そらさん。
「あの…とりあえず座りませんか?昴さんまだだし」

私は、みんなにそう促すと海司と瑞貴さんの材料をキッチンに運ぶ。

(どうしよう、これ。そらさんは、すき焼きがいいって言ってたし…。来てくれるのは嬉しいけど、まさか、全員揃っちゃうなんて…)

困っていると、またインターホンが鳴った。
きっと、昴さんだ。
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