+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

□4 闇夜の侵入者
1ページ/7ページ

寝静まったモビー・ディック号に突然、敵襲の合図が響き渡った
爆発音が何度か続き、船が大きく揺れる
私はベッドから転げ落ちお尻を打った

「…いたた」

お尻を擦りながら立ち上がろうとしたが思うように動けなく、その場に座り込んでいた
部屋のドアが開き、エースが現れる

「ひなた!大丈夫か??」

「うん」

誰よりも早く私のところに来てくれたのがエースっていうのが嬉しかった
心臓はバクバクしていたがエースの顔を見て落ち着いてくる

「襲撃されてる!オヤジの首狙いだ!お前はここにいて隠れていろ。絶対、外に出るな!」

「うん」

エースは震える私の両手を握りしめた
部屋の隅に私を連れて行き、毛布を頭に被せる

「大丈夫だ!」

エースが呪文を唱えるように何度も大丈夫だと言う
私はそれに答えて何度も頷いた


エースに言われると大丈夫な気がしてくる


「エース、早く皆の所へ…」

「これを…」

エースは腰に下げたナイフを私のベルトに着けてくれる

「お守りだ!必ず守ってやるから」

左の口角をニッと上げた
自信に満ちた私の好きな笑顔だ

「エース、気をつけて」

エースは一度だけギュッと私を抱き締めるとそのまま部屋を飛び出して行った
私は部屋の隅で身体を丸め、耳をふさいだ


本当は恐くてたまらない


誰かを傷つけたり傷つけられたり…そんなのは私とは無縁の世界だ
何処か遠くの国が戦争で沢山の人間が亡くなったとニュースで見ても、私は何も感じなく
傍観者だった


誰かに殺される


そんなことは一度も考えた事は無い


鳴り止まぬ大砲の音と怒号、叫び声…


これが海賊の現実なんだと思い知らせれた


楽しいだけじゃ無い…


私はここにいて…いいの?
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ