+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

□5 てっぱん
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エースがひなたの所に向かうの日が落ちる頃
モビー号の修理の手伝いをさせられて…
もとい、ほぼエースのせいであるモビー号の修理を手伝うのは仕方がない事であって文句は言えなかった

「エース隊長、お話が…」

島の病院前で仁王立ちして待ち構えるヒスイに捕まった
瞳の色が薄い緑色になっている所を見るとかなり怒っているのが分かる

「今日は二番隊のクルー数名がお見舞いに来たんだけど…」

「…おう」

「最初は名前を呼ぶだけだったけど、そのうち大声で歌いだし…その歌ってのが…ホント!!へったくそで!!」

「…そ、そうか」

「まーひなたに教わったなら納得なんだけど…あの子ね、マジ音痴だから」

本人に言っちゃダメだからね?ってヒスイは念を押す

「ってか!病院で騒ぐなって話なの!怒られるのはあたしとマルコ隊長なんですからね!!」

ホント勘弁して欲しいとヒスイはグチグチグチグチ…

ようやくおさまった頃を見計らいエースは頭を下げる

「すまない。あいつらにはおれから言っておく」

「…………お願いします」

エースの対応にヒスイは戸惑った

「んじゃ、おれ行くから」

「あ、エース隊長」

「おう?」

「ひなた…まだ眠ったままよ?」

ヒスイの瞳が濃い緑色に変わり、その瞳は涙で潤んだ
エースはガシガシ頭を掻く

「それでも…行かねェと」

「…隊長、一つ試してみませんか?」

エースは首を傾げる

「『目覚めぬ姫には王子様の口づけを』作戦です」

「はぁ…?」

「試してみませんか?」

「何を?」

「隊長がひなたにキスするの!」

「!!」

エースは口を開けたまま動かず
ヒスイはその姿を見てため息をついた

「ーやっぱり他の人に頼むわ」

「ち…ちょっと待て!」

踵を返して去ろうとするヒスイの腕を掴む

「他のヤツに…させるってことか!!」

「そう言う事ですね。…ひなたにキスしたいって人は一杯いますから」

ヒスイは横目でエースを見ながら、わざとエースを逆撫でする言い方をした
エースの眉がピクリと動く

「させるか!」

エースは舌打ちすると病院に向かって走り出す
ヒスイはその後ろ姿を見つめ、微笑んだ

「作戦成功」

木の影から顔を覗かせる二番隊のクルー達はヒスイに、よくやったと親指を向けた
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