+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

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何事もなかったかの様に静かになった港に降り立ったエースは、ボラートに片足を乗せて海を見つめていた
上半身裸に黒のジャケットを羽織り、肩に花束を担ぐ
迎えに行くんだからちゃんとしていけと無理やりサッチに着せられ、エースは着なれないジャケットに持ちなれない花束でブルーになっていた
二番隊のクルー達はエースのその姿を見て笑いを堪えながらも

隊長!かっこいいです!!
さすが隊長!何着ても似合います!!
これでひなたも惚れ直します!!

エースのテンションを上げるために褒めちぎった

「そ、そうか??」

エースはにんまりと笑った

早く迎えにいってくれねェかなと思いつつかれこれ一時間余りこの状態だ
痺れを切らした一部のクルー達は冷たい目をしてエースの後ろを通りすぎる

「さ、おれ達で先にひなたを迎えにいこう!」

「そうだな」

「隊長なんかに任せておけねェ…」

「おい、こら!迎えにいくのはおれだ!」

クルー達を追いかけるエース
エースから逃げるクルー達
マルコは呆れた顔でそれを見守った

「ってか、皆で迎えに来なくてもねい…」

港に停泊したモビー号
遠く離れた場所には何隻もの白ひげの船
マルコは船から降りると今までエースが足をかけていたボラートに腰掛けた

ひなたがいる島の近くの海域で傘下の船を名乗る海賊が悪さをしているとの情報があり調べていた矢先、ひなたが傘下の船でモビー号に戻るとの知らせがあった

その船が偽物である事がわかったのは前日
久しぶりにオヤジの激怒する姿を見た

その姿を見てサッチが
さすが『オヤジキラーひなた』と呟いて笑った

「なんだねい?それ」

「オヤジにしろ、マルコにしろ、クルー達を骨抜きにする」

「…否定はしないよい」

ひなたがここに居たのはほんの少しの期間だ
どれだけ溶け込むのがうまいのか…

この島でもモビー号にいた頃の様にいつもの笑顔で皆の心を掴んで離さないのだろうか?

マルコはフーッとため息をついた

「マルコ隊長ーーー!」

駆け寄ってくる懐かしい人物にマルコは手を振った

「ヒスイ!相変わらず美人だねい?」

「お世辞は結構!それより大変なの」

息を切らしながらヒスイはマルコに告げる

「ひなたが自ら誘拐された」

「…よ………い??」


誘拐って自らされるものかい???


マルコはキョトンとした顔で首を傾げた

「隊長!しっかりしてよ!!」

ヒスイに頭を叩かれマルコは我にかえる

「ってか誰だーー!誘拐したやつはーー!!」
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