+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

□9 『ぺったんこ』のわけ
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空は雲一つ無い快晴
波は穏やか
ユラユラ揺れるサニー号
それぞれがそれぞれの場所で時間を過ごしていた
まったりと時間が過ぎていく
ひなたは測量室を覗いた
海図作成中のナミに行き先を聞くためだ

「聞かない方、いいわよ?」

ちょっと困った顔をした
ひなたはナミに近づいて、左腕に付いたログポースを覗きこむと、真っ直ぐねと呟く
驚いて振り向くナミだがすぐに、あぁそっかと肩を撫で下ろした

「ルフィの性格は知ってるか…」

真ん中の異常な動きをする指針に不安が募る
黙るひなたにナミは首を傾けた

「大丈夫??」

「………正直言うと怖い」

「だよねェ…あたしも怖い!でもルフィだからね、半分諦めてる」

そう言ってナミはケラケラ楽しそうに笑うと、不安そうなひなたの肩をポンポン叩く

「大丈夫よ!この船には頼もしい奴らが乗ってるし…。この船に乗ったこと後悔はさせないから」

「うん!ありがとう、ナミ」

満面の笑みを浮かべるひなたを見ていたナミはいたずらをする子供の顔になる

「ねー、ひなた」

「んー?」

「気になる事が一個あるんだけど?」

「なぁに?」

ちょいちょいとナミは手招きし、ひなたの肩に腕を回す
ナミのでっかい胸が肩に当たってひなたは少しドキリとする

「あんたってエースと付き合ってんだよね!」

「……………え、っと…」

「ーかわいい」

ひなたの真っ赤な頬をつついてナミは笑う

「で、どこまでいったの??」

「どこまで…って」

「教えなさいよね!船に乗せてあげてるんだからー」

ひなたの身体を両腕で抱き締めてグイグイと胸を押し付けてくるナミ
ひなたはクラクラしていた
女のひなたでさえ恥ずかしくなるほどナミの胸が肩に当たる

「…………つ……あって………ない」

「え?」

「エースとは付き合ってるとか……そういうんじゃないの」

真っ赤なひなたにナミは首を傾げる

「なんで???」

「なんでって………´。好きとか言われてないし」

「…………」

「好きとも言ってないし…」

俯いて独り言のようにブツブツ呟くひなた
ナミはでっかいため息をついて、ひなたから身体を離す

「外見だけじゃなくて中身もお子様ね」

「ひっどーい!外見はしょうがないじゃない!!」

ナミはひなたを見下ろし、頭から足先までゆっくり視線を下ろす

「あたしが相談にのってあげてもいーわよ?」

ニヤリと笑うナミ

「ーーお金、取るんでしょ」

ひなたは呆れたように呟く

「あったり前じゃないの?ーーーでも、恋話聞かせてくれたら少しはオマケしてあげるけどねー」

「!!」

「だってさぁ、この船と一番無縁な話でしょ?」

(んー確かにワンピースってそういうのあんま無いか、特に麦わらの一味…)

「ナミは誰が好きなの?」

素朴な疑問を問いかける
ナミは首を傾ける

「ルフィ?サンジくん??」

ナミは吹き出す

「考えたことなかった!!」

「私はルフィだと思ってたけど?」

いやいやいやいや…
と右手を顔の前で振り、涙目になりながら笑い続けるナミ

「意識しちゃうからやめてよねー」

一味とはそういうんじゃなくて、家族に近いんだよね
ひなたも一緒にいたら分かるよ

ナミはそう言ってにこりと笑った
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