+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

□10 きみのとなり
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サニー号の甲板では宴が始まっていた
ひなたはサンジが作った料理を運ぶ手伝いをしていた
運ばれた料理は次々とルフィのお腹におさまっていく

「サンジくんの手って何本あるの…??」

ルフィのお腹を満たす為に作られていく料理の数々にひなたは、ただただ驚いていた

「2つしか無いよ?」

クスリとサンジは笑う

「一人でルフィのお腹を満たすだけ作るのは大変だね」

「作りがいはあるよ」

ブルックがバイオリンを奏で、ルフィと歌を歌っている声がキッチンまで聞こえてきた

「ひなたちゃん、これ最後ね」

サンジは料理の入った数種類の小さな小鉢が乗ったトレーをひなたに渡した

「??」

「ひなたちゃんの分。どーせ料理は残ってねェだろ?」

「ありがとう、サンジくん」

「おれもこれ片付けたら行くから、楽しんでおいで」

「うん」

ひなたが歩きだすとカチャカチャと小鉢がぶつかり合う音が響いた

「サンジくんって料理上手だし、強いし、優しいし、かっこいいし…んーいい匂い…早く食べたいなぁ…」

ひなたは呟きながらキッチンを後にする

「ーーー心の声、駄々漏れだな…」

サンジはタバコに火を付け、再びクスリと笑った



甲板に姿を現したひなたにウソップが自分の隣に来るよう促す
近くではルフィとチョッパーが音楽に合わせて踊っていた
ウソップの隣に腰かけたひなたはお酒を受け取りると一気に飲み干した

「結構、いける口か?」

ゾロが嬉しそうに笑うとお酒を継ぎ足す

「少しだけだよ?」

「まぁ、今日はおれに付き合えや」

「こいつに付き合ったら体がもたねェよ?」

ウソップは呆れたように呟く

「お前も付き合え」

ゾロは少し酔っているのかいつもより上機嫌に見える
ウソップは肩をすくめて、ひなたに苦笑いを向けた

「ところでチビスケ」

「はい?」

一升瓶を抱えたゾロがひなたにぐいっと一歩近づく

「そのナイフ、ちょっと見せろ」

腰に下げたクリスダカーを指差す

「これ?」

ひなたは鞘からダガーを抜くとゾロに手渡す
ゾロはその剣身が蛇のようにうねった剣を月の光にかざした

「海楼石か?」

「うん」

ゾロは隣で踊っているルフィの体にダガーを押し当てた
へなへなと力が抜けて倒れるルフィ

「本物だな」

ゾロが呟く

「な……なに…するんだ…」

ルフィが恨めしそうにゾロを見上げる

「あぁ…悪ぃ」

ゾロはダガーをルフィの体から離すとひなたに返した

「ーーそんなあぶねェもん持ってんなよ!」

力を取り戻したルフィは涙目でひなたに訴える

「だってさ、敵が能力者だったら有利でしょ?」

ひなたは鞘にダガーを収めるとニコリと笑った

「んー確かにな…」

腕を組みルフィはそうだな、と頷く

「それよか、お前って見かけに寄らず怪力の持ち主なんだな!!」

「え?なんで??」

「あのあんこう殴って気絶させたんだろ?」

「そうだな…その剣も海楼石以外は特に変わった所も無いし」

「…あれはただの『火事場のばか力』だよ!」

ひなたはケラケラ笑った

「人間の普段の力って2割から3割なんだって!だから私のあの力は追い詰められると発揮するんだ」

「それって……………武装色の覇気じゃねェのか?」

ルフィは首を傾げた

「いやいやいや…」

ひなたは右手を顔の前で振った

「私の世界にそんな力ないもん!私が覇気使いな訳ないよ!!」

「そっか?」

「そうだよー」

「…そうだよなー?」

「そうなのか??」

四人で顔を見合わせる
ルフィはニカッと笑うと、まっいいかと呟いた

「それより、ひなた!」

「なに?」

「この船に乗ったらやらなきゃいけないことがある」

「え?」

「これだ!!」

ルフィはチョッパーを指差すとシシシ…っと笑った
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