+ パラレルワールド「ONE PIECE 」+

□4 闇夜の侵入者
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ー静寂

どのぐらいの時間が過ぎたのかわからない
ただ、静かすぎて緊張感が増した
外の様子を確認する事が出来ない
私は壁とベッドの隙間に身を隠したまま、ここから動けないでいる

床が軋む音
それに合わせ、部屋の扉を開ける音がする
一つずつ確かめるかのように開いては閉まる
それが少しずつ近づいて来てる
私はベッドの下に身を隠した


何かがいる
隊長達でもクルー達でも無い何か


足を引きずりながらソレは私のいる部屋の前で足を止めた
ギィーと低い音を立てて扉が開く

「…………」

激しい息使いが聞こえる
私は思わず息を飲んだ


ー見つかったら殺される


頭をよぎる死への恐怖
震える身体を丸めて出来るだけ息を殺した

数分…いや、数秒かも知れない
暫くソレは部屋の中にいたが、再び足をひぎずる音と扉が閉まる音が響いた

「…助かった」

ふーっと一息つき気を抜いた瞬間、頭の上のベッドが吹き飛び、壁にぶつかり粉々に砕けた

「ーっ!!」

「…みーつけた」

顔をあげるとそこには、赤い大きな塊がいた
人間なのか人間ではないのか分からない程焼けただれた、血だらけのその塊は白い歯を見せて笑っている

「………」

私はゆっくり身体を起こした

「一緒に来てもらう…」

太い腕が伸びてくる
その手から逃れる為、毛布を投げつけて扉に向かって走る

瞬間、身体は逃げるのとは逆方向に吹き飛んで壁に激突した


何が起きたのか解らない


意識が朦朧とする
身体を起こそうとしたが激痛で動けなかった
右の腕の感覚がない
叩かれたと思われる頬が腫れ上がるのを感じた
頭から垂れてくる生暖かい物が顔の半分を覆う
口の中に溜まった血を吐き出すと、ソレはニヤリと笑った
私の胸ぐらを掴むと身体を軽々と持ち上げ、部屋を出た



「安心しろ。殺しはしない…まだな」
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