REBORN!!短編
□手に入らないのなら
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初めて会ったときからそれは一目惚れだった。
光の加減で青に輝く黒髪。
色素の薄い肌。
男のくせしてほっそりとした躯。
人を見下す左右色違いのオッドアイ。
そのすべてにひかれた。
それから幾度も幾度もアプローチをして、幾度も幾度も失敗した。
幾つの世界でも君は僕のモノにならなくて。
ほら、この世界だってそうだ。
君はあの嫌いなマフィア、ボンゴレファミリーの為に働いている。
目の前に力なく膝不味いている君。
赤がよく映えていて見とれた。
「ねぇ、骸クン。君のこと好きだって言ったら、どうする?」
「気色悪いにも程がありますね」
ほぉら。
そうやって君は僕を拒絶する。
ああ。
この世界もダメだった。
「そう。なら消えて♪」
自分のモノにならないのなら、誰かのモノになってしまうぐらいなら、君を消してしまおう。
そして君の死体に触れて言う。
「ああ…やっぱり無理だった」
僕が君に触れる事ができるのは冷たくなったあとだけだ。
「次こそ…他の世界で君は…」
僕のモノになってくれるかな?
(どんなに望んでも手に入らない)
(なら、こんな世界壊してしまおう)
(そして別の世界で望みをかける)