REBORN!!短編

□約束
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ずっと離れないと誓って髪を撫でてくれた。
なのになぜ、


隣に君はいないの―――――?



――――

「え?」

思わず呆けた声が漏れた。

「ですから…ディーノさんが…重傷を負って…もう…」

そう言って沢田は泣きはじめた。


なんでもイタリアで敵対マフィアと戦っていたらしい。
勝負はキャバッローネの勝ち。
だが、キャバッローネの一人が油断し敵対マフィアに撃たれた。
ディーノはそれを庇い急所に弾丸が貫いたらしい。

「…うそ」

「あの…ロマーリオさんがディーノさんにあってくれって…」

確かに近くにロマーリオがいた。

「イタリアに今から行けるか?ボスがあんたに会いたがってる」

言われるままに雲雀はイタリアに向かった。



― ― ―
イタリア。
そこの病院にディーノは眠っていた。

「跳ね馬…?」

嘘。ディーノじゃない。
ディーノはもっと血の気があって。
呼んだら笑って返事をしてくれる。

「跳ね馬…」

ディーノの手がピクリと動き瞼が震えた。

「きょ…、や…」

ディーノは雲雀を見つけると笑った。

「よぉ」

「跳ね馬…なんで…」

笑うディーノに力はなく。

「ごめん……」

ディーノはすまなそうに謝罪する。
息が荒く早い。

「いやだ……なんで謝るの?」

「だって…もう一緒にいられないから」

「そんなことない!」

雲雀はディーノにすがり付いた。

「ねぇ、君言ったよね?ずっと一緒にいるって。離れないって」

ずっと一緒だと、そういって優しい温かな手で撫でてくれた。

「約束…でしょ?」

「ごめんな…恭弥」

ディーノは重い腕を持ち上げ雲雀の頭を撫でる。


雲雀はディーノに撫でられるのが好きだ。
心地よくて安心する。

でも。今は安心できない。

「いやだよ、いやだよ…」

「恭…弥――……愛してるぜ」

パタリ。
ディーノの腕が落ちた。

「嘘…ねぇ…跳ね馬!!跳ね馬!!…っ」

揺すっても閉じられた瞼は開くことない。

「でぃ…の…」

視界が霞む。
頬に伝う滴。

ずっと離れないと言って髪を撫でてくれた。

なのになぜ君は隣にいないの

「でぃーの…ディーノ……、ディーノ!!」

布に水が染み込んでいく。

「ぅあああああああああ!!」

いくら呼んでももう返事はない。

もう、あの温かな優しい声を聞く事はできない

もう、頭を撫でてくれない

大好きだった人はもう、どこにもいない――…

雲雀は一人声を出して泣き続けた。




(愛してるぜ、恭弥)
(僕も愛してるよ…だから…)



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