A mixed body

□02.VS帝国 in Raimon junior high school
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俺は風丸に見に来て欲しいと言われたのでグラウンドへ向かう。時間に余裕を持って階段を降りグラウンドに出る。
グラウンドには雷門の生徒が集まっている。何処で観戦しようかと考える。観戦場所を探すためにグラウンドをふらふらと歩く。
ふと、見知った人を視界に発見した。木に寄り掛かっている。試合を観戦するのだろう。

俺は『よぉ、豪炎寺。』と声をかけた。
相手もこちらに気づいたみたいで「あぁ、祐樹か。」と返事をしてくれた。

祐樹『お前もサッカー部の練習試合を観戦するのか?』

豪炎寺「まぁ、そんなもんだ。お前は観戦するのか?」

祐樹『まぁね。同じクラスの風丸、あそこにいる水色のポニーテールの奴に誘われてな。』

豪炎寺「そうか。お前もここで観戦するか?」

祐樹『豪炎寺が構わないのならそうさせてもらおうかな。』

豪炎寺「別に構わない。」

祐樹『じゃあ、遠慮なく。』
そこそこ見やすい場所を確保したとき帝国学園がやってきた。登場の仕方が凄い。それしか言えなかった。不思議なものを見るように見ていただろう。
その後、帝国学園は雷門のグラウンドで練習を開始した。
練習とは言えとても熱心に取り組んでいる。ここまで敵に自分達の実力を見せつけるのって思った。
帝国の練習風景をじっと見ていた。そしたら、ふと目線が合った。帝国のキャプテンと。しかし、お互いに一瞬で逸らした。息ピッタリで。
そろそろ練習試合が始まるかな、と思い校舎に掛かっている時計を見遣る。はっきりいって試合開始予定時刻をとっくに過ぎていた。
グラウンドには帝国の選手は全員集合しているだろう。しかし、雷門の選手は見当たらない。忽然と姿を消してしまったみたいだった。

祐樹『はぁ〜。』

豪炎寺「?どうかしたか?」

祐樹『いや、一向に試合が開始しないなぁ〜って』

そんな俺の言葉に苦い表情を浮かべる。しかし、一瞬でいつものような表情に戻す。

豪炎寺「あぁ、そうだな。多分帝国にびびって逃げ出した奴とかがいるんじゃないか。」
それと、サッカーは怖くない。楽しいものだ。帝国を見ると怖く感じるかもしれないが。」

豪炎寺の表情は歪んでいた。始めの方は無表情。最後の方は辛そうで悲しい複雑な表情だった。いろいろな感情が複雑に絡み合っていた。サッカーは楽しいもの、そう言ったときはサッカーが好きっていうことがびしびしと伝わってくる言い方だった。

祐樹『そ、そうなんだ。でも…。』

豪炎寺「?」

祐樹『えっ。そんなこと、いやそんなことする奴がいるの!?サッカーって怖いのかなぁ。』

豪炎寺「帝国の練習風景を見せつけられて、実力の違いをはっきりと痛感しただろうし。ここは弱小って言われているからびびってしまう奴の一人や二人いるだろう。祐樹『やっぱりサッカーって楽しいものだよね。みんなの気持ちが一つになる。いいスポーツだね。』

豪炎寺「……。お前、サッカーやったことあるのか?」

祐樹『あるよ。前の前の学校でね。豪炎寺は?』

豪炎寺「……。俺も前の学校で。」

祐樹『ふぅ〜ん。似た者同士って感じだ。』
豪炎寺「そうか?似た者同士ではないと思う。祐樹は部活入るのか?」

祐樹『う〜ん。考え中。まあーゆっくり考えるよ。そういう豪炎寺は?』

豪炎寺「入っていない。入る気はない。」

祐樹『そっか。』

豪炎寺との会話が一段落したのでグラウンドの方に視線を戻す。
いつのまにか、雷門の選手も全員集合していた。一番弱そうな奴がエースストライカーのユニホームを着ていた。
そろそろ試合開始するらしい。
審判がホイッスルを吹き試合が開始することとなった。
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