私の名前は…

□02,目覚め
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この前、雪の上で倒れていた女の子を病院へ連れていってから二日程たった。

時間が経つのは思っていたよりも速い。

あのコーンスープを買いに行こうとした日、救急車で運ばれた女の子は、幸い大事には至らなかった。

とはいえ頭からの出血があったため、手術を受けた。

手術にはけっこうの時間を要した。

こんなに時間がかかっていて、本当に大丈夫かと俺は心配になった。

手術中は手術室の前で、そわそわとしていて落ち着かない自分がいた。

でも、無事成功した。

手術室から出て来た彼女を見て、心の底から安心した。

でも、まだ眠っていていつ目覚めるのかは全くわからない状態でもあった。

目覚めるとはいえ目覚めない可能性も0ではないらしい。

それを聞かされて、空気がより緊迫した状態になる。

俺も唖然とした。

見た感じ、すぐに目覚めそうな感じがする。

でも、そう言われると不安の波が襲ってくる。

さっき安心した自分はどっかに行ってしまった。

しかし





















俺達の発見が、後、数十分遅れていたら…。




















"死んでしまったかも…"らしい。














あの時、俺らが発見して救急車を呼んでよかったと思う。

偶然とはいえ、女の子の命を救ったかもしれないと思うと嬉しい。

自分の心が温かくなる。

人から感謝されるのは心地好いと思う。

彼女が目覚めるのが楽しみになってくる。

その日は彼女の病室に夜遅くまでいた。

でも、彼女が目覚めることはなかった。

俺達が帰るまで眠り続けていた。





俺の意識は現実の世界に引き戻された。

今日は、学校の冬休み真っ最中。

昨日は夕方から雪が降り続けていた。

今までに、けっこう雪が降り積もった。

これまでの積雪もあり、それ相応の高さになっている。

雪の山は俺の身長を軽く越えている。

いつか、雪に埋まってしまいそう。

雪が降るペースが雪掻きのペースよりも速くてどんどん積もっていく。

今朝も、朝早くから雪掻きをしている人がちらほらと見える。

こんな日は家の外に出たいと思わない。

家でダラダラとしようかな〜と考える。

本当はサッカーをやりたいが、この雪の中では無理だろう。

学校から冬休みの宿題がたくさん出されている。

まだほとんど終わっていない。

あまり手をつけていな
い。

後、四日程しか冬休みがないのに。

こんな調子で終わるはずがない。

とはいえ、あまり焦る気にならないのだ。

頑張ればなんとかなる気がする。

これが俺のいけないところだとわかっている。

長い休みは毎回こんなことを繰り返している。

変えるべきだとわかっているけど変えることが出来ないのはこういうことだ。
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