私の名前は…

□05,作成
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病室の中が明るくなる。
赤の他人だった三人が昔から知り合いだったみたいに見えた。

そんなとき、医師が病室に戻って来た。
準備が整ったらしい。
体調を良いので明日には退院して移ることになった。
新しい名前で新しい場所で生活。様々な感情が渦巻く。
でも、人生は楽しまないと損だと思う。だから、楽しいことを想像していたいと思う。
もう一度、医師の話に耳を向けた。

医師「刹懦ちゃんがこれから生活するのは、×××にある児童養護施設。そこに決まった。」

刹懦『あ、はい。いろいろとありがとうございます。』

佐久間母「そこってうちの家から近いんだよね。」

刹懦『あっ。そうなんですか。』

佐久間「あぁ。歩いて10分くらいだったかな。」

佐久間母「そうそう。なら、時々うちの家に来なよ。ね。」

刹懦『えっ。そ、そんな……。大丈夫ですので。はい。お気遣いありがとうございます。』

佐久間母「いいって。来てほしいから来て。お願い。うちらも会いに行くから。」

刹懦『じゃ、じゃあ。お言葉に甘えて……。』

佐久間母「んじゃあ、明後日に行くね。っていうことで、そろそろ帰るね。またね。刹懦ちゃん。」

半ば強引に約束をした佐久間達は帰っていった。

話を終えた医師も病室を出ていった。

一人、病室で一夜を過ごしました。

End
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