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□Defendその後
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【Want】R18

「おい、メフィスト!戻らねぇ!」
「兄さんが元に戻りました。」
理事長室に怒鳴り込んできた双子に驚いて、お茶を零す。
「で、戻ってないのですか?戻ったのですか?」
「戻ってないんだよ!」
「…失礼しました。記憶は戻りました。」
「でも体が戻ってない!」
高級そうなマットに零れたお茶を二人で拭きながら、記憶と体のどちらが戻る方が重要か喧嘩している。育ちがいいのか悪いのか、判断しかねる。育ての親である藤本に文句の一つも言ってやりたい。
















「燐、戻って良かったね。」
「奥村、まだ戻らないんか。」
しえみは嬉しそうに笑うし、勝呂は顔をしかめる。子猫丸と出雲は隠そうとしているが、なんか嬉しそう。志摩はいつもと変わらない。こいつ何も考えてないな。
「そうだよな勝呂。俺このままじゃ困るよな!」
「困りはせん。」
お前ら、人事だと思いやがって。













「にゃははははは!燐、お前思い出したのか。」
「笑い事じゃねーよ。」
「しゅらさん、絶対にこのままの方が楽でいいですよ。」
「それもそーだにゃ。」
「全然良くねぇって。」
「大体、兄さんは何が不満なのさ。普通科の授業行かなくていいんだよ?」
「何で雪男の方が背が高いんだよ。」
「それは元々じゃないか。」
「もっと差がついてるじゃねぇか。」
「ほら燐、背が伸びる魔法の薬だぞ。」
「こんな子供にお酒なんて飲ませないで下さい。」
「うるさいビビり眼鏡だな。」
我が弟よ、そんな風に思っていたのか。雪男にお酒の代わりにと手渡された牛乳を飲む。新手の嫌がらせだろうか。












「兄さん、歯磨きした?」
「雪男…お前、俺の母ちゃんか。」
「だって心配なんだもん。」
「可愛くないぞ。大体、雪男が居ない方が安全だ。」
「どうしてさ?」
「こんな小さい俺に対して、何したか思い出せよ!」
「味見しました。」
「…最低だな。」
「知ってます。」
駄目だ、不治の病だ。話しているのも馬鹿らしくなって布団に潜り込む。
「なんでこっち来るんだよ。」
「僕も寝ようと思って。」
「いやいや、お前のベットあっちだろ。」
「一緒に寝ようと思って。クロはいいのに、僕は駄目なわけ?」
面倒臭くなって無視する。すると雪男はクロをつまみ上げて、廊下に追い出した。クロの怒った声が聞こえる。
「っ雪男、何してんだよ。」
「…邪魔だったから。」
あまりにも酷い言い方に言葉がでなかった。俯いていると、抱き寄せられる。雪男の腕にすっぽりと納まった。
「兄さんはこのままでいいよ。」
「なんで?」
「僕の腕に納まるから…安心できる。」
心地好くて返事ができなかった。














兄さんは暖かい。ずっとこのままがいい。僕は兄さんだけいれば、それでいい。
「…寝ちゃったの?」
耳元に口を寄せる。まだ少し湿っぽい髪からシャンプーの香りがする。パジャマの隙間から見えた鎖骨に唇で触れる。鬱血を残した。
「僕の事、思い出さない方がよかった?」
兄さんは何を望んでいるんだろう。
「こんな弟いらない?」














違和感で目が覚めた。
「…?」
弟にフェラされていた。その事に気がついた瞬間、腰が砕けるような快感を拾う。
「っあ!」
ぬちゃぬちゃと恥ずかしい音をたてながら、雪男が頭を上下させる。
「ゆ、おまっ…止め」
気持ち良過ぎて涙が出た。頭を抱え込むようにして、腰が勝手に動く。
「ひゃ、やっ、や…っあん」
目を閉じると真っ白になる。
「あ、あ、あっ、あんっ」
じゅっと音をたてて吸い上げられ、熱を吐き出した。
















雪男は顔を上げて、俺の精液を飲んでみせた。熱が一気に上がる。
「止めっ」
あんなもの弟に飲ませるなんてどうかしている。急いで指を入れて口を開かせたが、腕を掴んで退かされる。
「兄さん、もう飲んじゃったよ。」
「っ…ぁ」
今度は悲しくて涙が出た。「わ、悪い。そんなつもりじゃ…」
視線が絡む。碧い目に写った自分を消してしまいたかった。もう一度、親指を入れて口を開かせる。今度は俺に好きにさせるつもりなのか、大人しい。白濁が残っているのを確認して舌を入れる。目を閉じて舌の掻き出す動きに集中した。
「…ふ、ぅんっ」
中を舐め回す。苦くてとても飲めるもんじゃなかった。
「っは、はっ、はっ、はぁ」
「っはぁ」
息が苦しくて口を離す。溢れた唾液を拭いながら、雪男は嬉しそうに笑った。
「どうして謝るの?」
「雪男は弟だっ、俺の大事な弟なんだ。こんな事していいわけがない。男同士で、しかも双子の兄弟だ。」
「だから?」
「っ…!変だろっ、おかしいだろ!」
「何もおかしくないよ。僕は、兄さんがいればいい。他は何もいらない。それじゃ駄目なの?」
「駄目だ!」














頬を叩かれた。驚いて声が出ない。
「兄さんは僕の使い魔なんでしょ?…」
「っ」
「いい子だから、言うこと聞いてよ。」















さっきまで大人しかったのが嘘のようだった。ベットに無理矢理押し付けられて、パニックになる。記憶を無くしていた間の雪男に対する恐怖を思い出す。
「やっ、やめ、雪男」
「うるさい。」
「やぁっ」
そこら辺に投げてあったシャツで腕をベットに固定される。一気に血の気が引いた。
「お願い…、止め」
「…聞きたくない。」
口を布のようなもので塞がれた。くぐもった音がもれる。解してもいないのに突っ込まれた。















「っ、…くぅ」
ニスのくびれまで入れられた。両足が雪男の肩に乗っているので結合部がよく見える。完全に勃起したそれは脈打って、今にも破裂しそうだ。
「兄さっ…イきそう…」















兄さんが号泣している。何か叫んでるのは伝わってくるけど、口を塞がれているせいでくぐもった音しか聞こえない。青色の硝子玉みたいな瞳から、涙がぽろぽろ流れて綺麗だった。そのくせ、下で僕を締め付けてきて酷くいやらしい。熱く包み込まれている。もうそろそろ出そうだと伝えると、さらに締め付けてくる。
「っ、本当は、欲しい、くせに」
ぐちゅりと嫌な音をたてて全部埋め込んだ。
「つぅ」
兄さんに精液を吐き出す。なかなか射精が終わらない。
「止ま…ん、ないっ」
結合部から白濁が溢れ出してくる。
「兄さんは、僕の、ものっ、なのに」
全部注ぎ込む。















兄さんは呆然としていた。実の弟にレイプされたのだから仕方ないか。それでも勃起している。腹まで起立しているそれから先走りをだらだらと垂らしている。また下半身が熱くなる。
「兄さん、弟に犯されて気持ち良かったの?」
次の瞬間、兄さんもイった。

















お互いに下半身が酷く汚れ、二人ぶんの精液でシーツに水溜まりが出来た。兄さんは静かな眼差しでこちらを見てくる。黙って僕が口に突っ込んだ布を取る。それでも何も言ってこない。腕の拘束も解いてやる。
「…痛かった?」
赤く腫れた手首をさすった。腕を掴んで抱き起こしながら、体を拭いてやる。酷く掠れた音が聞こえて、それが兄さんの声だと気がつくのに時間がかかった。
「雪男、ごめんな。」
「何が?」
「俺がいるの…良くないよな。」
「どうして?」
「お前には真っ当に生きて欲しいんだよ。俺と違って馬鹿でもなけりゃ、悪魔でもない。もっと違う道があるはずなんだ。」
「でも兄さんがいない。」
「俺なんか居なくったって歩けんだろ?」
「兄さんがいないと僕は死んでしまう。」
「なんだそれ。お前、兄貴の気持ちも考えてくれよ。」
「弟の気持ちも考えてよ。駄目なんだ、僕には燐がいないと駄目なんだよ。」
「雪男、他の奴なら文句言わねぇから。俺だけは止めろ。」
「燐、お願い。燐がいいんだ。」
「…泣くなよ。」
「だって意地悪ばかり言うじゃないか。使い魔にしてでも燐が欲しかったのに。」
「俺なんかでいいのか?」「燐がいい。」
「世話のやける弟だな。…やるよ、全部くれてやる。だから泣くなよ雪男。」



終わり



※本編ラストで、記憶を取り戻した燐のエロが書きたかったんです。

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