二次小説
□勉強方法人其々
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机に分厚い本を何冊も広げ、リューイはその上に突っ伏していた。
その本はどれも帝王学や政治関連のもので、まさしく王太子が読むに相応しい、というものだ。
しかしリューイはそれを本としてではなく、枕のような使い方をしている。
その様子を見て、ジェイは苦笑する。
「おいおいリューイ、本は読むもんで頭のせるもんじゃねぇだろ?」
「ん〜…分ってる。ちょっと休憩」
言いながら体を起こし、ぐーっと伸びをした。
それでも瞳は眠そうにトロンとしている。
「王子様も大変だねぇ、ガキのうちからこんな勉強するなんざ」
ジェイは広げられている本を一冊手にとって呟いた。
『ガキ』という言葉に反応し、リューイは半分ほどしか開いていなかった瞳を全開にして傍らのジェイを睨みあげた。
その瞳がいつもの『子ども扱いしないでよ』と訴えてきている。
「大変だけど嫌いじゃないよ、勉強は」
言ってまた本に目を戻すが、その瞬間にまた瞼が閉じてくる。
「眠いなら我慢しないで寝なさいよ。それからでもいいだろ」
本は逃げねぇよ、と言うが、それでもリューイは机から動こうとしない。
ガクン、と椅子から落ちそうになっては首を勢いよく横に振って、しばらくするとまた落ちそうになる。
何度かその繰り返しを見て、ジェイは盛大な溜息を吐くと、リューイの肩をぐいっと乱暴に抱いた。
「だーから寝なさいっての。落ちて頭打ってもしらねぇぞ」
もっともそんな事になる前にきっと支えてしまうのだろうが。
頭の隅でそう考えていると、見上げてきたリューイと目があった。
その瞳はパッチリと見開き、海を思わせるほど真っ青に染まっている。
「ね、ジェイ。読み終わるまでこうしてて?」
「……はぁ?」
こうしてて、とは肩を抱いていてくれということ。
唐突にそんな事を言い出す剣の主に、ジェイは間の抜けた声をあげた。
「だからね、こうやってジェイに触れられてるとドキドキして眠気なんてなくなっちゃうから」
だからお願い、と白い頬を少しだけ朱に染めながら言った。
言われたジェイはカッと赤面し、それを見られないようにリューイの顔を胸に押し当てた。
腕の中からくぐもった抗議の声が聞こえるがお構いなしだ。
「あー…うん、かまわねぇけど……あんま可愛い事ポンポン言うなよ」
「?」
キョトンとしているリューイのから目を逸らし、顔が見えないように後ろから抱きしめることにした。
end
***
久々更新…。
久々すぎだろ!
おまけ↓
「ドキドキしすぎて頭に入ってこない…」
「………次の作戦考えるか」
おわっとけ。